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学生の日常

イライラ

作者: ミナネナミ

 あらすじにも書きましたが、主人公の口が悪いです。ご注意ください。

 ギャーギャー騒ぐ声が耳に障る。今は掃除の時間だというのに、教室の前に集まり、先生のモノマネをして男子どもが盛り上がっているのだ。

 できるだけ気にしないようにしながら、窓枠を拭いていく。


ーーあー、窓に雑巾が引っかかって、拭きにくい。窓全部外してやりたい。


 ギャハハ!と大きい声が聞こえて集中力が削がれる。殺気が湧いた。


ーーあーもーマジでウザい、うるさい、黙っててくれないかなー。そもそも今掃除の時間で、モノマネタイムじゃないんだけどなー。

 

 「おい、お前ら、今掃除の時間だとわかってるのか?」


 突然、先生が教室に入ってきた。あれだけ騒ぎ立てていた男子どもはぴたりと動きを止め、「えっ、いや、あの、ちがくてこれは…」などとしどろもどろに言い訳を始める。


「ったく、集中してやれよ。二度とは言わないからな」


 そう睨みを効かせ、教室を出ていってしまった。


ーーいやいや先生?!そこは全員廊下に並ばせて説教するところでしょ!?いつもはどうでもいいようなことで説教してくるくせに、こういう、説教するべきところでは説教しないとか、頭どうなってんの?!


 当の、先ほど注意されたばかりの奴らはまたもや騒ぎ始めた。全くもって懲りていない。先生への殺意が湧いてきたところで、


 「何やってるの」


うちの担任お出ましだ。


 低い声をだして入ってきた担任は、けれど、教師歴3年目の可愛らしい小柄な女性である。申し訳ないが、精一杯の睨みも迫力がない。

 すると、クラスで一番のお調子者が


 「おい、お前らちゃんとやれよー!」


などと言い始めた。


ーーはぁ?!テメェが一番騒ぎまくった張本人のくせに何言ってんの?


 横目で見てみると、数人の男子は引き気味だった。しかも、例の男子の言い方は、またどこぞの先生の言い方のマネだから救いようがない。


 「そんなに先生のモノマネがしたいんなら、今度、先生方呼んで、その前でやる機会作ってあげるね?」


 担任が言った途端、男子どもは、「すいませんでしたー!」と一斉に叫び、掃除を始めた。

 あの担任、以前にも冗談のように言っておきながら、本気でやったことがあって、酷い目にあったことがあるのだ。


ーーそういえば、あの騒動もあいつらのふざけたモノマネが原因だったっけ?そのせいでえらい目にあったっていうのに、まだやるとか、どんだけ学ばないんだ。


 背後で掃除をしている男子どものうるさい声を聞きながら、深々とため息をついた。


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