煌めきなら
港を出てゆく船を
見送る時がある。
冬の海の煌めき、
吸い込みながら。
あれもこれもあって、
押し潰されそうで、
あの人も忙しくて
話せないからね。
この逸れる気持ちを
港を出てゆく船に、
乗せていた。
ここからそしてどこへ。
晴れた空の此方へ
飛んでゆく飛行機。
いつかはと見た夢を、
投げつけている。
どうしてここにいるの。
今頃わかってきても。
あの人の煌めきなら、
遠くで見つめるくらい。
この残された気持ちを
晴れた空の飛行機に、
託してみた。
ここからそしてどこへ
病や贅沢にもなる
心の扱いを、
知らずに生きていると
思うことがある。
吸い込んでも吐けない。
投げつけても受けられない。
苦しさはひとしきり、
誰も知らない世界へ。
この独りの気持ちじゃ、
あの人にはこのまま
会えないのかも。
ここからそしてどこへ。