Story82「もっと可愛いところ」
「いつかは国民的アイドルになると思うからね」
僕が話しているとさっちゃんが恥ずかしそうにしながらいきなり抱きついてきた。
「ちょっとだけこうさせて… 」
「さっちゃん、別に良いけど周りにたくさん人がいるんだけど」
「別に良いじゃん!たまには私も女になりたい時だってあるんだから」
僕は、たくさんの周りの人の目線がこっちに向いているのは気になりつつも抱きついてくれたさっちゃんがすごく可愛くみえてしまった。
「今のさっちゃん、可愛いね」
僕がそう言うとさっちゃんは、顔を真っ赤にしながらツンツン気味に返事する。
「今のってどういう意味よっ!知らない人が聞いたらまるで普段は、変な女かツンツンしかしていない女って勘違いされるじゃん」
「ごめんね。僕の話し方が悪かったよ。普段から可愛いけど、抱きついてくれてる今のさっちゃんは、もっと可愛いって事を言いたかったんだけど… 」
「な、何言ってるんだよっ!恥ずかしくなってきたじゃないか。今から一緒にコンビニ寄ってからビール2本買ってからいちご荘の私の部屋で一緒に飲むわよっ」
「一緒にって僕は、美憂姉と部屋が同じだから美憂姉に何か言われちゃうよ」
「私とみゆちんは、友達だし美憂姉にメールで私がライブ中に体調が悪くなって優くんに看病してもらいたいから今日は優くんを借りるねって送っておくから大丈夫! 」
「さっちゃん、上手いこと考えたな。でも何かあったらどうするんだよ」
「その時は、私が責任持つから大丈夫!それじゃさっそくメールしておくね」
そしてさっちゃんは、普通に座り直してからメールでこの内容で送った。
宛先:みゆちん
題名:ごめんね!
本文:アイドル☆ハイスクールのライブ中に体調が悪くなってしまってこのまま1人だと心配で、優くんに看病してもらいたいから今日は、みゆちんには悪いけど優くんを借りるね。
本当にごめんね!
その代わり今度みゆちんが食べたがっていたからあげちゃんを好きなだけおごってあげるから許してね。
そして5分ほどしてからメールがさっちゃんのスマートフォンに届いていたため慌ててさっちゃんは、確認する。
「どう来たんだろう… 」
宛先:彩希ちゃん
題名:体調悪いなら仕方ないね
本文:体調が悪いなら仕方ないね。
その代わり今日だけだし、優くんにえっちな事しないでね。
それとおごってくれるときは、からあげちゃんのプレミアムでお願いね!
「優くん、大丈夫だよ!ほら、横からでもいいからみてみて」
僕は、さっちゃんに言われた通り横から返信画面をみせてもらった。
「大丈夫そうだね。からあげちゃんのプレミアムって結構高いんじゃないの? 」
「10個入りで380円+消費税だから税込でも410円であまり高くないから大丈夫だよ」
「そうなんだ。普通のからあげちゃんは、食べたことあって5個入りで税込216円って知っていたんだけど、プレミアムの方は知らなかったから」




