Story6「歓迎会」
僕の歓迎会パーティが始まったのだが、羽衣さんは相変わらず僕への目線は敵対心むき出し状態である。
その中、純子さんが僕に話しかけてくれた。
「優くんは、好きな女の子っているの? 」
僕は、いきなりの質問に口の中に入れかけていた巻き寿司を吹き出しそうになった。
「石井さん、僕は今、好きな女の子いないね」
「そうなんだ~ 優くんって真面目なんだなって言うのが分かるよ」
「なんでかな? 」
「だって私のこと苗字で呼んでるもん。今日から優くんは、いちご荘の一員なんだからね。それと私の事は、すみちゃんとかすみっちで良いよ」
「それじゃ、すみっちって呼ぶね。仲良くなるまでは苗字で呼ぶことに僕は基本的には、してるからね」
するとツンツンしている真中さんが僕にこう言った。
「だからダメなんだよ。確かに時と場合によるとは思うけど、ほんとに仲良くしたいって思うなら気軽に名前で呼ばなくちゃ仲良くなんてなれないんだからねっ」
「そうなんだ… それじゃ彩希って呼んでも良い? 」
僕がそう言うと、真中さんは顔を真っ赤にしながらツンツン口調で話す。
「そ、それはダメだよっ!彩希だとまるで彼氏彼女みたいじゃないっ!さっちゃんでいいわよ」
「分かった!それじゃ、さっちゃんって呼ぶね」
「す、好きにすれば…」
すると今度は、よしりんが話しかけてきた。
「そう言えば自己紹介まだだったね!私は、19歳の大田 佳乃と言います。よしりんって呼んでね」
「よろしくお願い致します!ところでよしりんは、プロレスとか目指してたりするのかな? 」
「なんでそう思ったの? 」
「体つきとか見てたら筋肉もりもりって言う感じがするので‥」
「実は私、すでにプロレスラーなんだ! 」
「えっ?そうなの?女の子のプロレスラーってはじめてみたよ」
「探したら他にもいるけど、私は、男性並みに体力があるって言われてるの」
「そうなんだ!すごいね! 」
「女王の座にはまだまだだけどね。でもいつかプロレス女王になるんだ! 」
「よしりんだったらプロレス女王になれるよ! 」
「そうかな~ 優くんにそう言ってもらえるとやる気が出てくるよ! 」
「応援してるから! 」
「ありがとう!明日からも頑張るぞ」
そして僕は、事前に羽衣さんの苗字を美憂姉に聞いていたため羽衣さんにも話しかけてみる。
「あの…朝日さんは、何か好きな趣味とかはあるのかな? 」
「なんでそんなことあんたに答えないといけないのよ」
「いや…ちょっと気になっただけなんだけど」
「そんなことで話してくるな」
それを聞いた美憂姉は、ため息をつきながらこう呟いた。
「羽衣ちゃんの男子敵対心は相変わらずだね。これじゃ優くんがかわいそうだよ」
その後歓迎会が少し険悪な雰囲気で終わってしまい僕は、個室でため息をついてると、ノックの音が聞こえた。