Story61「治療の依頼」
「そう思うならこのボールを見てみろ! 」
そして僕は、二人にボールを見せた。
不良A「プロ野球で使われているボールにしか見えないけど… 」
不良B「普通の硬式球にしか見えない! くそっ! 」
「敗けを認めて羽衣ちゃんに土下座しろ! 」
すると不良二人は、即座に羽衣ちゃんに向かって土下座した。
不良A・B「申し訳ございませんでした」
羽衣「分かってくれたら良いけど…」
不良A「さっさと帰ろうぜ! 」
不良B「そうだな!腹立つだけだしな」
そして不良二人は、さっさと帰っていくと羽衣ちゃんは、泣きながら抱きついてきた。
「優くん、助けてくれてありがとう!あたい本当は、すごく恐かったよ… 」
「羽衣ちゃん…もう大丈夫だからね! 」
僕は、羽衣ちゃんの頭を優しく撫でてあげるとさらにぎゅっと抱き締められながら羽衣ちゃんは、僕にこう言った。
「でもあたいなんかのために助けてなくて良かったのに…もう少しで優くんも被害に会うところだったんだよ」
「何言ってるんだよ!おかしいだろ!羽衣ちゃんの身に何かあったら僕がものすごく辛くなるんだよ。それに僕にとって羽衣ちゃんは大切な人なんだから困った時は助けるに決まってるじゃん」
「優くん… 大好き! ちょっとベンチに一緒に座らないかな? 」
「うん、僕で良かったら良いよ! 」
それから僕と羽衣ちゃんは、公園のベンチに座った。
「やっぱり優くんって優しいよね!あとは上手くは言えないけど、いつもあたいを優くんが女にしてくれると言うか… 」
「僕は、ただ当たり前の事をしてるだけだよ。
でもなんで他の男性だと刃物を持ち歩いたりしてしまうの? 」
「だって治さないとって思っても完全に男性敵対心の症状が改善されてるわけじゃないし、優くん以外の男性はダメなんだよね… 」
「羽衣ちゃん… でもせめて刃物を持ち歩いたりするのは辞めないかな?警察に見つかったら捕まってしまうから」
「確かにそうだね…優くん!お願いがあるんだけど… 」
「羽衣ちゃんどうしたの? 」
「優くんのその優しさであたいの男性敵対心の治療してくれないかな? 」
「えっ?治療って言われてもどうしたら良いのか分からないんだけど… 」
「優くんがこうかなって思ったもので良いよ。あたいは優くんになら本当の自分を出せるし、なんならあたいの初体験を奪っても良いんだよ」
「羽衣ちゃん… 」
「やっぱり18歳で経験ないって女としてダメよね… 」
「そんなことないよ!僕も経験したことないから」
僕がそう言うと羽衣ちゃんは、小さな声で恥ずかしそうにしながら言った。
「そ、それならお互いしたことないならあたいとしない? 」
「いきなり変なこと言わないでよ。僕がおかしくなってしまうから」
「優くんと初体験するのが一番早くあたいの男性敵対心を治せる特効薬だと思うんだけどなぁ」




