Story55「2人で一緒に」
「うん、そうだね‥あっ!7+3=10だから人数オーバーになってしまうんだ」
「そうなのよ!でも3人ともいちご荘に相応しい人たちらしくて誰か一人を断るわけにもいかないみたいなの。そして瞳さんの意向で私が優くんと仲が良くて安全性も高いと判断されたみたいで、私が優くんと同じ部屋に住むことになるの」
【瞳さんの解説】
瞳さんは、石井 瞳さんつまりすみっちこと純子ちゃんの母親であり尚且つ、いちご荘の家主(大家)さんである。
そのため僕たち、いちご荘のメンバーは、瞳さんの言うことは守らなければいけないのである。
この時僕は、ある不安が出てきてしまった。
「僕も美憂姉と一緒に入られる時間が増えるのは嬉しいよ!それにしても瞳さんがそこまですると言うことは、僕に続いての男性の入居者も入ってくるかもしれないな‥」
「私も入居者の人数と性別しか聞いていないから誰がやって来るかは分からないけど、それはないみたいだよ」
「えっ?どうしてなんだろう」
「基本ここは、女性専門共同住宅であくまでも優くんは、私と瞳さんや他のメンバーたちからの強い要望があったから特別にと言うわけであって他の男性を入居させる予定は私も瞳さんもないって言ってるから大丈夫だよ! 」
この時僕は、安心したと同時に涙が出てきてしまった。
「確かに最初の頃に美憂姉が教えてくれたもんね。それなら良かった!もし他に男性の入居者が来たりしたら美憂姉が‥ 」
「それはないよ!だって私、他の男性に興味ないし優くんじゃなきゃ嫌だから」
「美憂姉…ありがとう! 僕も美憂姉が好きだから」
すると美憂姉が僕を優しく抱き締めてくれた。
「優くん…大丈夫だから安心してね」
「美憂姉、ありがとう! 」
「私の方こそいつも本当にありがとう!もっと優くんとお話したいんだけど、そろそろ新しい入居者がやって来る頃から優くんは、みんなが集まる中央部屋で待っててくれるかな? 」
「うん、分かった!それじゃ僕は、中央部屋でみんなと待ってるね」
それから美憂姉は、玄関まで移動していき入居者3人が来るのを待っていた。
そして僕は、中央部屋に移動していきみんなと待機するのだが、先に待っていたすみっちが小さく呟いていた。
「お兄ちゃん争奪のライバルがまた増えるのかと嫌になっちゃうなぁ」
「すみっち、新しいメンバーがやって来るからって必ずしも僕に興味持つとは限らんでしょ? 」
「そんなの分からないじゃん! だってみゆちんや羽衣ちゃんたちも優くんに惚れてるみたいだし、いつどこでどんな展開になるか分からないからね」
するとツンツンしながらさっちゃんが中央部屋に移動してきた。
「な、なんで優くんに惚れないといけないのっ! 」
「だってさっちゃんこの間、私と一緒にお風呂に入った時に言ってたじゃん!優くんはあたしの宝物だからって‥ 」
すみっちがはっきりと話すとさっちゃんは、顔を真っ赤にしながら言った。




