Story41「アイドルと電話」
「あっ、話したいことがあるって言ってたよね! 」
「実は、愛理ちゃんに直接会ってこの間のSNSでの紹介してくれた事についてのお礼が言いたくて‥ 」
「そうなの、気にしなくて良いのに!あれは私がただ紹介したくて勝手に書いただけだから」
「でもそのお陰で、お客さんがかなり増えてるからやっぱり感謝の気持ちは、直接伝えたいって思うからいつでも良いので僕と会ってくれませんか? 」
僕は、そのままの気持ちを愛理ちゃんに伝えた。
「もちろん良いよ!私も会いたいなって思っていたから‥それじゃ今週と来週は新曲の躍りの練習とかレコーディングとかで時間がないから6月の1日の10時頃、神戸スタジアムで待ち合わせはどうかな? この日は、日曜日だけど優くんの都合は大丈夫かな? 」
「ありがとう!その日なら仕事も休みだから大丈夫だよ」
「ほんとに?ありがとう!ごめんね、なかなか会える日が無くて‥私は、早く優くんに会いたいんだけどね… 」
「謝らなくていいよ!愛理ちゃんいつもアイドル活動で大変なんだからね」
「優くんもお仕事大変じゃない! 」
「そんなこと無いよ!愛理ちゃんに比べたら僕なんてこの間、ようやく正社員になったばかりだからね」
「そうなの?ずいぶん前から正社員でもおかしくないと思うのにね! それじゃ、そろそろ今からお風呂に入ってから寝るね」
「うん…分かった! それじゃ1日の10時頃ね」
僕は、この時愛理ちゃんの入浴してる姿を少し想像してしまったのである。
「ずいぶん先だけど、1日に会おうね!
あっ、今私の入浴してるシーンでも考えてたでしょ? 」
電話で話しているだけなのに、完璧に見抜かれていた。
「うん、愛理ちゃんごめんね…でもな、なんで分かったの? 」
「なんでだろうね~ でも別に何かしたわけじゃないんだから謝らなくて良いじゃん!ちなみに今日の下着は、優くんが選んでくれた白色のだよ! 」
「愛理ちゃん、そんなこと答えなくて良いのに… 」
「ちょうど今、ズボンを脱いで下着をゆっくりと脱いでいくところだよ~ 」
「清楚系アイドルが着替えの実況なんてしたらダメだよ~ 」
「別に直接、見せていないんだから良いじゃん!
それじゃ、1日ねっ」
僕が良くないと言い返そうとしたら電話が切れてしまったのである。
愛理ちゃんったら変なこと言わないでよ~
愛理ちゃんが変な実況を電話でされた影響で、僕は、考えないようにするが、愛理ちゃんが入浴してる姿を再び考えてしまったのである。
それから6日後の日曜日を迎えて、僕が部屋でゆっくりとしているとノックの音が聞こえてきた。
「はい! 」
「優くん、すみっちだよ~! 」
僕が部屋を開けると、すみっちは、3冊の教科書とノートを持っていた。




