Story3「敵対心」
「それではご紹介致します。彼は南川 優くんで今日私が交通事故にあいそうになったのを助けてくれました。そして信頼できる男子が欲しいと言う意見が多数ありましたので、この度南川くんがこのいちご荘の住民になることになりました! 」
すると嬉しそうにする子もいれば反対派の子もいる。
「あたいは反対だね!だって男子ってやらしいし、 すぐ何してくるか分からない上にあたいは男子は嫌いだから」
「羽衣ちゃん、そんなこと言わないの。
確かに男子の中には、すぐ手を出してくる人もいるけど、彼は違います。それに私たち女子には出来ないことだって実際あるでしょ? 」
「男子なんてこの世からいなくなれば良いんだよ! 」
羽衣は、そう言って会議中にも関わらず個室に帰っていった。
「あー、南川くん本当にごめんなさい!羽衣ちゃんは、ちょっと事情があって男子には敵対心をむき出しにしてしまうんだよね」
「いえいえ!お気になさらないでください。中には事情がある方もいると思いますから」
「他の子はどうかな? 賛成の方は挙手してください」
すると他の方は全員手をあげて賛成してくれたようだ。
「よし、それでは多数決により南川くんは、今日から引っ越してくることに決まりました!みんな仲良くしてあげてくださいね。それでは解散! 」
こうして会議は終わったものの僕は、悲しい気持ちになっていた。
「山岡先輩、やっぱり僕は、歓迎されてないみたいですね」
「それは違うよ。やっぱり異性だから人によって受け入れてもらいやすい人もいればそうじゃない人もいるからね」
「でも先ほどの方のことを考えれば僕は、いない方が良いんだと思います」
僕が消極的になっていると後ろから一人の女の子が話しかけてきた。
「みゆちんの言うとおりだよ! 」
「えっと、先ほど確かバスタオル巻いていた方ですね」
するとツンツン気味な口調でこう言った。
「確かにそうだけど、ちなみに私の名前は、バスタオルではないんだからねっ」
「それは、分かってますよ! 」
「私は、大学2年の真中 彩希と言います」
「真中さんですね!よろしくお願いします」
「こちらこそ。さっきの私のバスタオル姿を思い出して変なこと考えたりしないでよねっ! 」
「そんなことしませんよ! 」
「ほんとかしら? まぁ、いいや。ちなみに羽衣ちゃんの男子敵対心障害は、南川くんの力がなければ治らないと言う事は言えると思う」
「僕からしたら同じ女子の方が有利だと思いますが…」
「確かに女同士だと女同士でしか話せないこととか分かりあえない事もあると思うけど、男子敵対心障害については男子じゃないと治すことは出来ないからっ」
その話を聞いたら山岡先輩は、僕にこう言った。