Story2「いちご荘へようこそ」
「あの、いちご荘ってマンションか何かでしょうか? 」
「いちご荘とは、地域の女子会と連動している私たち女性専用共同住宅で、個室はあるけども基本は寮に似ていてみんなでご飯を食べたりして住む場所だね」
「女性専用だったらダメじゃないですか! 」
「それがね、今、信頼できる男子が欲しいって言う声が多くて課題になっているのよ」
「ですが僕にはちょっと…恥ずかしながら親からの仕送りで生活しているため、おまけに家賃の都合もありますから」
「それなら大丈夫よ!家賃は共同住宅だから毎月10000円で良いよ! 」
「10000円で良いんですか? 僕が住んでるところは毎月35000円いるのに… 」
「家賃が10000円になったら親の負担も約70%も減らしてあげられるんだよ。これも親孝行に繋がるんじゃないのかな?おまけに女子しかいないから南川くんからしたら夢の生活が送れるかもしれないんだよ。これを逃したら、人生損するわよ」
「確かに山岡先輩の言うとおり僕は、まだ仕事先が見つかっていない状態で仕送りしてもらっている立場ですからね。ですが周りの女子が受け入れてくれるかが心配ですね」
「南川くんなら大丈夫よ!だって女子会の会長である私がすでに受けていれてるんだから。心配ならさっそくいちご荘に行ってみようか? 」
「良いんですか?それではよろしくお願いします」
「それじゃさっそく参りましょう~ 」
こうして山岡先輩のテンションがいきなり上がりながら僕たちは、いちご荘に向かった。
「着いたよ!ここが私たちが住んでいるいちご荘」
「ポストまでいちごの柄なんですね」
「ここは、色々とこだわりが強いからね。さっそく入ってみよっか」
山岡先輩が先に戸を開けてから中にいる人たちに声をかける。
「ただいまー! ちょっとみんな集まってくれるかな」
するとバスタオルを巻いた女の子が中から出てくる。
「みゆちんどうしたの? 」
僕は、目のやり場に少し戸惑った。
「さっちゃんその格好はダメだよ」
「え?男子がやって来たの? 」
中から出てきた女の子は、僕の顔を見た途端に顔を真っ赤にしながら脱衣場に戻っていく。
「南川くん、変なところみせてごめんね。女子しか来ないからって油断しやすい部分があるから」
「いえ、大丈夫ですよ! 」
すると数人の女子が中から出てきてざわめき始め山岡先輩はみんなに声をかける。
「みんな、落ち着いて中央部屋に集まってください! 」
「大丈夫かな? 僕には無理ですよ」
「大丈夫だよ!みんな良い方だから、さぁ中に入って案内するから」
そして僕は、山岡先輩の指示に従って緊張しながら中央部屋に入っていく。
「それではお邪魔します」
すると山岡先輩がみんなに向かってさっそく話を始める。