story288 「夏休み」
「これはすごいね!A評価が3つもあって、Cが一つもないなんてお父さんビックリだよ! 」
すると奈由がすごく嬉しそうにしながらこう言った。
「お父さんに誉めてもらえるとすごく嬉しいよ!わたしこれからも頑張ってAがもっと増えるように頑張るからね! 」
「なーちゃん、無理はしない程度にね」
僕がそう言うと羽衣ちゃんが、友美に話しかける。
「友美も来年からは、小学校だから通信簿と言うものが、あることは覚えておいた方がいいよ」
「そうだね。あたしちゃんと覚えておくね」
「友美は、幼稚園でいやなこととかはない? 」
「うん、無いよ。たまにクラスの男の子があたしのスカートを捲ってきたりした子も今は、何もしてきていないから」
その話を聞いていた僕は、友美にこう言った。
「確か前に、幼稚園に入った時からずっと同じクラスで、色んな話をしたりしてる子でこの間、砂場で一緒にお山を作っていたら急に後ろにやって来て友美のスカートを捲ってきて、すごく恥ずかしくて嫌だったって話していた件だね」
「そうそう、その話ね。あれからまた何かされるんじゃないかなって思ったけど、何もしてきてないから良かったよ」
「そうだね。一度されてしまうと怖くなってしまうよね」
「でも今日から夏休みだから、いちご荘のみんなと毎日遊べるから楽しみだよ! 」
「そうか、今日から夏休みだもんね。良い思い出が出来ると良いね!そう言えばなーちゃんは、学校で嫌なこととかない? 」
「うん、わたしも嫌なこととかないよ。小学校に入って初めての夏休みになるけど、宿題とか読書感想文があるから出来るか今から心配なんだよね」
「読書感想文は、お父さんも苦手だったね。あれって意外と上手くかけなくて難しいからね」
「そうだったんだ。原稿用紙に書かないといけないって言うのが、しんどいんだよね」
「おまけにある程度文字数が埋まらないといけないからね」
「わたし、本読むの苦手なんだよ。国語の本読みでも、してるうちに眠気がきちゃうんだよ」
「大変だと思うけど、お父さんも仕事以外の時は、なーちゃんに適した本を買ってきて、書き方とか教えてあげるから大丈夫だよ」
「お父さんありがとう!すごく助かるよ! 」
「その代わり他の宿題も頑張るんだよ」
「もちろん頑張るよ! 」
こうして奈由は、初めての夏休みの宿題をこれから頑張っていくことになった。
そして次の日の日曜日に以前、奈由の家庭訪問の時にそらちゃんに7年ぶりの再会と言うこともあり、学校で話をする約束をしていたため校門に到着すると、そらちゃんの姿があった。
「そらちゃん、待たせてしまった? 」
「ううん、今さっき来たところだから大丈夫だよ!忙しいところ、来てくれてありがとう! 」
「僕の方こそ声かけてくれてありがとう!
でも僕だけで良かったの? 」




