story282 「買えない」
「優くんの前なら私、女になれるみたいだから」
「萌絵… 」
「あっ、ごめんね。変な話ばかりしてしまって」
「ううん、ぜんぜん良いよ」
「それじゃ、私このブラと下着の白いセットを買うことにするから、ちょっとスカート渡してくれるかな?その中に財布があるはずだから」
「うん、分かった」
僕は、萌絵にスカートを渡すと、萌絵は急いでスカートについてるポケットの中に手を入れていくが、何故か困った表情をし始めたのだ。
「優くん、このセットはいくらするのかな? 」
「このセットは、単品ならそれぞれ700円するんだけど、セットなら併せて税込で980円たね」
「どうしよう… 財布の中に100円しか入ってないから買えないよ! 」
「ちょっと足りないね…それならこのセットをプレゼントするよ! 」
「いやいや、そんなの悪いから… 」
「良いよ!こんな可愛い姿を見られて正直僕、嬉しいから! 」
「ほんとに良いの? 」
「もちろん良いよ! 」
僕がそう言うと萌絵は、すごく嬉しそうにしながらこう言ってくれた。
「ありがとう!今度必ずお礼するし、大切にするね! 」
「お礼なんて気にしなくて良いよ!あっ、ブラと下着についてるタグだけは外しても良いかな? 」
「もちろん良いよ!パンツとか服についてるタグって自分でハサミで切ったりするの面倒だから、切ってくれると助かるよ! 」
「それじゃ今からハサミで、下着とブラについてるタグを切っていくからね」
「ありがとう。大変だと思うけどお願いするね」
それから僕は、萌絵にプレゼントする下着とブラについてるをハサミで、丁寧に切ってから、綺麗に畳んで萌絵に手渡しをした。
「これで、両方についてるタグが切れたから大丈夫だよ! 」
「本当にありがとう!優くん。また来るからね! 」
「今度は、普通に来てくれると助かるかな」
「心配しなくても今度来るときからは、普通に優くんに会いに来るから! 」
「ありがとう! 日曜日以外は、基本的に朝から夕方の時間帯まで働いてるから、また来てね! 」
こうして気づけば約1時間が経過してしまったが、僕は、女子高生の萌絵に出逢って下着とブラをプレゼントしてあげたのであった。
そしてその日の夕方、美憂姉と一緒にいちご荘に帰る途中で、美憂姉が僕にこう言ってきた。
「そう言えば、優くんに言い忘れてたんだけど、今日の夜に急遽ガールズトーク討論会を開くことになったから」
「どうして土曜日とか日曜日とかじゃなくて今日なのかな? 」
「私も最初は、よく分からなかったんだけど、瞳さんの話によると、明日は瞳さんが買い物に出掛ける予定らしくて、日曜日は瞳さんと純子ちゃんが、エアコンの掃除をしないといけないから時間に余裕がないため、今日急遽することになったらしいよ」
「そうだったんだね。分かった、教えてくれてありがとう。美憂姉! 」




