story276 「デートのお誘い?」
「何言ってるんだよ。そらちゃんこそ魅力的な女性になってるよ! 」
「優くん、ドキドキさせないでよ! 甘えたくなっちゃうから」
するとこのタイミングで、下半身に巻いていたタオルが外れてしまい、僕は慌てて巻き直していく。
「あっ、そらちゃん変なところ見せてごめんね! 」
僕が謝ると、そらちゃんは、顔を真っ赤にしながらこう言った。
「ううん、ぜんぜん変なところなんかじゃないよ。すごく良いものが見れたような気がしてる」
「そらちゃん… 」
「やばい、優くんのあれを見ちゃったから、ドキドキが止まらなくなってきた。奈由ちゃんは、まだ来てない? 」
僕は、回りを確認してから答えた。
「うん、奈由はまだ来てないけど」
「今度の日曜日って空いてるかな? 」
「今週の日曜なら討論会もないから空いてるよ」
「それじゃ、7年ぶりに再会したことだし、本当はいちご荘でも良いんだけど、羽衣ちゃんと優くんの仲を壊してしまったら困るから、学校でちょっとだけ話したりしない? 」
「うん、そらちゃんが大丈夫なら僕は、ぜんぜん良いよ」
「ありがとう!それじゃ今度の日曜日ね」
そらちゃんが、嬉しそうにしながらそう言うと奈由が、急ぎながら玄関までやって来た。
「あっ、お父さんごめんね」
「なーちゃん、急がなくて大丈夫だよ。ちゃんと拭いてきた? 」
「うん、ちゃんと拭いてきたよ」
するとそらちゃんが、ここで一人の女性から一人の教師としてのスイッチに切り替えて奈由に笑顔で挨拶をしていく。
「奈由ちゃん、こんにちは」
「大川先生、こんにちは」
「それでは南川くん、学校での奈由ちゃんについてですが、体育では少し苦戦してるところもありますが、何に対しても一生懸命頑張ろうとしていて、素晴らしいと思います」
「頑張ろうとしてることは、すごく良い事だね」
「あとは、人見知りな部分がありつつも、クラスメイトの川西亜美ちゃんと、最近仲良くなっている感じですね」
「なーちゃん、学校で友達出来たの? 」
「つい最近なんだけど、亜美ちゃんと仲良くなったんだ! 」
奈由ちゃんが嬉しそうにしながら話してくれた時、僕は川西という苗字に少し気になったため、そらちゃんに聞いてみることにした。
「そらちゃん、1つ聞いても良いかな? 」
「もちろん良いよ」
「川西さんって言えば昔、いちご荘メンバーの中に川西愛理ちゃんっていたけど、亜美ちゃんと何か関係ってあったりするのかなって思って」
「愛理ちゃんと亜美ちゃんの関係ならあるよ!実は、愛理ちゃんも現在結婚していて、亜美ちゃんは愛理ちゃんの娘なんだ」
「あっ、そうだったんだ。 愛理ちゃんもあれから結婚してたんだね! 」
「私も最初は、分からなかったんだけど昨日家庭訪問した時に知ったの」