story275「 教師としてやって来た」
僕がそう思っているとインターホンが鳴ったので、僕は慌てて下半身にタオルを巻いて玄関から返事をする。
「はい! 」
「あっ、大川です」
そして僕は、玄関の戸を開けていくと、そらちゃんが顔を赤くしながらこう言った。
「あっ、お風呂上がりだったんだね!ごめんね」
「いやいや、ぜんぜん良いよ!まともに話すのって7年ぶりだね」
「そうだね!久しぶり! 」
「久しぶり、そらちゃん。確か昨日の連絡帳には、7時前くらいになるって書いてあったから、それでお風呂に入ってたんだけど、見間違えだったかな? 」
「ううん、見間違えじゃないよ。実は、火曜日と木曜日に希望する人が何故か集中してしまって、今日は3件だけで、まだ4時過ぎだけど、既に2件済ませてきたの」
「と言うことは、ここが今日最後になるのかな? 」
「正解!そう言えば他のメンバーや奈由ちゃんは、どうしたの? 」
「他のメンバーは、買い物や友達と遊びに行ったり用事とかで、妻の羽衣ちゃんは、次女の友美の迎えなどで、出掛けてるんだよ。だから今は、奈由と2人だからちょっと待っててね」
「別に慌てなくて良いよ! 」
そして僕は、奈由に声をかける。
「なーちゃん、先生来たけど、今どこにいるの? 」
するとトイレの方から聞こえてきた。
「今、トイレでお腹の調子が悪くて大きい方だからちょっと待ってくれないかな? 」
「それならゆっくりで良いよ!先生に伝えておくから」
そう言ってから僕は、慌てて玄関に戻っていく。
「あっ、今トイレにいるみたいで、どうやらお腹の調子が良くないらしいです」
「そうなんだね。それじゃちょっと玄関で、待たせてもらって良いかな? 」
「うん、良いよ! 」
「ありがとう!それにしてもいちご荘が無くなっていなかったなんて、書類見て驚いたよ! 」
「そらちゃんも驚いたんだ!僕と同じだね。
7年後に書類が届くと、やっぱり驚くよね」
「おまけに優くんの妻が、羽衣ちゃんと言うのも正直驚いたかな。私は、美憂ちゃんか純子ちゃんと結婚してるのかなって思っていたからね」
「そらちゃん、すみっちは無いよ!だって7年前の時は、11歳だったんだよ」
「あっ、それともそうね。純子ちゃんと結婚していたら、奈由ちゃんが生まれたのが、純子ちゃんが12歳って言う計算になってしまうもんね」
「そう言えば、そらちゃんは、いちご荘に戻る予定とかはないの? 」
すると少し寂しそうにしながら答えた。
「戻りたい気持ちは、すっごくあるんだけど、今住んでるマンションとの契約がまだ半年くらい残ってて、契約書をこの前に見てみたら契約期間内に引っ越しする場合は、違約金10万円って書いてあったから戻りたいけど、今は戻れない感じだね」
「うわぁ、それはすごく大変だね」
「それにしても優くんの身体って以前よりも、すごくカッコよくなってるね! 」




