story265 「大袈裟な話」
「7年前の時もたくさん出来ていたんだけど、いちご荘で取れるいちごは、言葉では表現出来ないくらい、ものすごく美味しいね」
「そうなんだ!と言うことは今回のいちごの味にも期待出来そうだね! 」
「瞳が前に話していたんだけど、いちごの味には、毎回甘さとかの糖度が異なるから、あまり美味しくないときもあるみたいなことを言ってたよ」
「へぇー、そうなんだね」
僕が友華に話していると、そこにすみっちが会話の中に入ってきた。
「でも私は、きっと美味しいのが出来てる気がするよ」
「すみっち、どうしてそんなことが分かるの?まだ食べていないのに… 」
「どうしてって、それはお兄ちゃんがここにいるからだよ!だってお兄ちゃんが、いちご荘にいるのと、いないのとでは世界が全く違うと思うから」
「すみっち、それは大袈裟だよ! 」
「そんなことないよ!だって、今では私、いちご荘にお兄ちゃんが住んでいない事なんて全く考えられないから」
「すみっち、それは大袈裟だよ! 」
「そんなことないよ!だって、今では私、いちご荘にお兄ちゃんが住んでいない事なんて全く考えられないから」
「すみっち… 」
すると友華がこう言った。
「純子ちゃんの言うとおりだよ!私も今では、優くんがいないいちご荘なんて全く想像すら出来ないし、考えたくもないよ。だから、純子ちゃんと同じですごく美味しいいちごが出来てると思う! 」
「友華、どうしてそこでその流れになるんだよ! 」
するとそこに羽衣ちゃんまで明るい表情をしながら便乗してくる。
「純子ちゃんと友華ちゃんと同じで、あたいも優くんが、いちご荘にいるから美味しいいちごが出来るに違いない! 」
「羽衣ちゃんまで便乗しなくて良いよ! 」
「別に便乗なんてあたいは、してないわよ! 」
するとすみっちが、すごく嬉しそうな表情をしながら羽衣ちゃんに言った。
「羽衣ちゃんも私たちと同じ意見ってすごく嬉しいよ! 」
「これはあたいの中でも、強くそう思うものがあったからね! 」
それから一人あたりのいちご狩りの量は、約110個ずつくらいの大容量になり、それから手といちごを洗って蔕を取る作業を僕と瞳で頑張ってからいよいよいちごを食べる時がやって来た。
そして瞳さんがみんなに呼び掛ける。
「それでは今からいちごを食べる時間にしますが、今、食べるのは一人5個ずつとします。
そして残ったいちごは、7年前の時と同じようにこれから色んなものに使っていく予定ですので楽しみにしておいてください!それでは、みなさん食べてくださいね! 」
そしてメンバーのみんなは、ものすごく美味しい表情をしながら、いちごを食べ始めるのであった。
するとすみっちと奈由と友美の3人が、あっという間に自分達のいちごを食べきってしまい、3人とも僕のところに近寄ってきて、奈由が真っ先におねだりをしてきた。
「お父さん、もう食べちゃったから1個で良いから、いちごくれないかな?このいちご、ものすごく美味しくて止まらないんだよ! 」




