story263 「呼び捨て」
すると今度は瞳さんが、恥ずかしそうにしながら僕に強く抱きつきながらこう言った。
「それは、私がそう呼びたいからそう呼んでるんだよ!でも私の事は、これから瞳って呼び捨てしてほしいの。私は、結婚してるって分かっていても優くんとの距離をもっと縮めたいから」
「そんなに強く抱き締められると可笑しくなってしまうよ! 」
「可笑しくなっても私は、ぜんぜん良いよ! 」
「そんなこと言われると本当に可笑しくなってしまいそうだよ。それじゃ、本当に呼び捨てで良いならこれからは、瞳って呼ばせてもらうね」
「ありがとう、優くん」
すると瞳が、抱きついたままいきなり僕の唇にキスをしてくれた。
この時僕の顔を真っ赤になっていた。
「瞳… 」
「私のワガママを聞いてくれたお礼だよ! 」
「ありがとう! すごく嬉しいよ」
「これからも優くんが、良かったらたまにでいいから一緒にお風呂に入ってくれると嬉しいなぁ」
「僕で良かったらもちろん良いよ! 」
「優くん、ありがとう!それならもっとキスしてあげるっ! 」
「ち、ちょっと瞳? 」
それから瞳は、顔を真っ赤にしながら僕の唇に5分くらい間に何度もキスをしてくれたのであった。
そして次の日になり、6月最終日の朝を迎えて僕が目を覚ますと、隣で羽衣ちゃんがしんどそうな表情をしながら起きていた。
「優くん、おはよう」
「羽衣ちゃん、しんどそうだけど大丈夫? 」
「実は、今日さっき目を覚ました時に寒気がしたり、身体が熱かったりしたから熱を計ってみたら37.5℃あったの」
「37.5℃ってけっこう高いじゃない?安静にしてる方が良いよ! 」
「あたいも出来れば安静にしたいけど、今日はいちご荘のみんなで、いちご狩りをするからそれには参加しておきたいの」
「いちごなら代わりに僕が取ってくるから大丈夫だよ! 」
「気持ちはすごく嬉しいんだけど、7年ぶりで今度はいつあるか分からないし、後々になってあたい自身が、後悔したくないからあたいも参加しておきたいの」
「羽衣ちゃんが、そこまで言うなら良いよ。
でも僕は、羽衣ちゃんの体調がすごく心配だから、いちご狩りが終わったら部屋で、ゆっくり休むんだよ。僕も一緒にそのあと休むから」
「分かった、いちご狩りが終わったら休んでおくよ」
「それじゃ僕は、いちご狩りが始まる前に羽衣ちゃんの体調を伝えに奈由と友美の部屋に行ってくるね」
「分かった、お願いするね」
それから僕は、娘の奈由と友美の部屋に移動していき入っていくと奈由と友美がこう言ってくれた。
「なーちゃん、友美ちょっと入ってもいいかな? 」
「お父さん、ぜんぜん良いよ! 」
「友美もぜんぜん良いよ! 」
「2人ともありがとう!それじゃちょっと入るね」
そう言ってから僕は、娘2人の部屋に入っていき2人の前で、しゃがみながら話を始める。




