story258 「私だって分かってる」
それから40分後気づけば授業は無事に終わって授業参観も終わったため保護者の方は、全員教室を出てゆっくりと帰っていき、僕と羽衣ちゃんもいちご荘に帰っていくのであった。
そしてその日の夕方、全員がいちご荘に帰ってきてから奈由が、僕と羽衣ちゃんの部屋に入ってきて笑顔でこう言ってくれた。
「お父さん、わたしのために来てくれて本当にありがとう!わたしすごく嬉しかったよ! 」
「そんなのぜんぜん良いよ!僕もなーちゃんが、授業を受けてるところと活躍してるところが、見られて嬉しかったよ! 」
「お父さんが来てくれたお陰で、やる気がすごく出てきて難しかった問題が、分かったんだよ! 」
「なーちゃん、すごくえらいよ! 」
そう言いながら僕が、奈由の頭を優しく撫でてあげると、すごく嬉しそうな表情をしてくれた。
「お父さん、本当にありがとう!お母さんも来てくれてありがとう! 」
「良いよ!奈由が活躍してるところが、見られてお母さんすごく嬉しかったよ!お父さん本当は、今日もお仕事だったんだけど、奈由のためにどうにかならないかなって色々考えてくれたんだよ! 」
「そうだったんだ!お父さん、わたしのために本当にありがとう!これからも頑張るからね! 」
こうして長女である奈由の授業参観は、無事に終了したのであった。
ちなみに次女の友美の幼稚園の先生は、いちご荘で一緒に住んでいるさっちゃんで、いちご荘に来てからは、お互い会話することが、自然に増えていき今では、仲良くなることが出来ている。
それから週末の土曜日の昼過ぎに僕がトイレから部屋に戻ろうとしたら、いきなりさっちゃんから話しかけられた。
「あっ、優くん!少しだけ話したいことがあるから私の部屋に来てくれない?別に嫌ならいいんだけどねっ」
「ぜんぜん嫌なわけないよ、ぜんぜん良いよ! 」
「それなら良いんだけど… それじゃついてきて」
僕は、言われた通りに部屋に入っていくと、さっちゃんは鍵を閉めた。
「それで話したいことって言うのは、どんな内容なのかな?もしかして友美が、幼稚園で何か問題を起こしたりしてるのでしょうか? 」
「そんなこと友美ちゃんは、一切してから気にしなくて良いよ。私は友美ちゃんは、すごくいい子だと思ってるよ」
「それなら良かった!もしかして幼稚園で何かあるから、僕に話したいことがあるって言うことかなって思ったんだよ」
「それは違うから大丈夫だよ!話したいことって言うのは、私に近づこうとしてこない件について話したかったんだよ!そりゃ優くんは、結婚してるし子育てもある上に仕事もあるから、私と接する時間が少なくなってしまうのは、私だって分かってるわよ!だけどここまで近づいてこられないと寂しい気持ちになったり不安な気持ちになってしまうんだよっ」




