story247 「長女の呼び方」
「でもいつもお父さん、私のことを奈由って呼んでくれてるじゃない!それなら私もやっぱり優くんって呼びたいなって思ったんだよ! 」
「奈由… それなら僕は、これから奈由の事をなーちゃんって呼ぶようにするから、なーちゃんもお父さんって呼ぶようにしてくれないかな? 」
「うーん、分かった。今まで名前で呼ぶことが、多かったから時間かかるかもしれないけど、これからはお父さんって呼ぶようにするね」
奈由は、気は乗らない感じではあったが取り敢えず納得してくれた。
「ありがとう!お父さん個人的には、あまり厳しく言いたく無かったんだけど、なーちゃんと僕は、親子の関係でしょ?だから今のうちになーちゃんが大きくなってから色々と困らないようにって思って、これからはお父さんの事を名前で呼ばないようにって言ってるんだよ」
「そうなんだね。分かった。でもお父さん、私からしたら奈由もなーちゃんもあまり変わらないような気もするんだけどね」
奈由が可愛く笑いながら僕にそう言ってきたためこう言った。
「まぁ、確かにそうかもしれないね。でもとは言っても、なーちゃんにもこれから先、楽しいことだけじゃなくて、辛いこともたくさんあると思う。だからお父さんと二人きりの時で、たまにあれば別に名前で呼んでも良いよ。お父さんは、出来るだけなーちゃんには辛い思いとかしてほしくないから」
「ありがとう、優くん!それじゃ2人きりの時で、たまにであれば、これからも優くんって呼ぶね! 」
こうして僕が、奈由からなーちゃんに呼び方を変えると共に奈由も基本的には、僕に対して呼び方をお父さんに変えていき今現在に至っているのである。
そして今、僕は長女の奈由と一緒に湯船に浸かっているのだが、奈由が僕に少しずつ僕に抱きついてきてるのだ。
「ちょっとなーちゃん、なんでいきなり抱きついてきてるんだよ! 」
「なんでってお父さんに抱きつきたくなって甘えたくなったからだよ! 」
「普通の時ならまだしも、今はお互い素っ裸だから… 」
僕が顔を真っ赤にしながらそう言うと奈由は、さらにぎゅっと抱きついてきた。
「素っ裸だからこそ、すごく抱きつきたくなるんだよ! 」
「なーちゃんには、まだこう言うのは早いから! 」
「それってわたしは、まだ小学1年生だからって言いたいの?そんなのずるいよ! 」
「お父さんは、なーちゃんに正しいことを教えていかないといけない立場なんだから」
「これの何処が、間違ってるの?
わたしには、理解できないんだけど」
「何処がって言われても説明しにくいよ」
「わたしは、優くんに甘えることによって、また明日から学校に行こうって思えるの。宿題とか苦手な体育とかがあっても頑張れちゃうんだよ」
「それはすごいことだね! 」
「だからちょっとだけ抱きつかせてほしいの… 」




