story243 「トイレでトラブル発生」
「すごく接戦で、あたいも楽しかったよ! 」
そして試合後、望月投手が一人でヒーローインタビューされている裏で、ミスターズベンチでは、抑えの原田投手がレオンちゃんに頭を下げていた。
「新道さんが、せっかく1点取ってくれたのに俺の不甲斐ないピッチングで、台無しにしてしまって本当にごめんなさい! 」
「そんなの気にしなくていいよ!それに相手が相手だったから気持ちを切り替えていこう。まだリーグ優勝出来る可能性は十分にあるんだから、大丈夫だよ! 」
「新道さん、そう言ってくれてありがとう!またバッテリー組んでくれるかな? 」
「もちろんだよ!監督も恐らく、この程度では、変えたりしないと思うから」
「ありがとうございます! 」
【バッテリーの解説】
バッテリーとは、蓄電池の他に野球界で,投手と捕手の事を意味する。
こうして試合は、望月勝投手率いるドリームベイスターズが2対1で勝利したが、負けてしまった新道選手率いるミスターズも素晴らしいプレーを見せてくれたため、テレビから観戦していたメンバーたちは、すごく良いゴールデンウィークの思い出になったのであった。
それから2日後、ゴールデンウィークも終わろうとしている時に僕が、トイレに行こうとして鍵が開いていたためドアを開けて中に入っていくと、そこにはすみっちが便座に座っている時だった。
「あっ、ごめんね! 」
僕は、慌ててドアを閉めようとしたら顔を真っ赤にしながら、すみっちが僕の右腕を掴んできてこう言った。
「お兄ちゃん、ちょっと待って!中に入って鍵閉めてくれない? 」
「すみっち、でもそれだと… 」
「他の人に見られたら嫌だから早く閉めて、お兄ちゃん! 」
僕は、すみっちに言われた通りに素早くトイレの中に入って鍵をかけた。
「すみっち、鍵閉めたよ! 」
「ありがとう!でも別に後ろ向かなくても良いと思うんだけど…
それとも私のこう言う姿は、見たくないのかな? 」
「誰もそんなこと言ってないけど、普通こう言うときって後ろ向くものでしょ? 」
「それはそうだけど、私はお兄ちゃんの顔を見ながら話したいの!
別にお兄ちゃんなら見てられも怒らないから前向いてくれないかな 」
「分かった。それじゃ前向くね」
僕は、言われた通り前を向いたのだが、すみっちのトイレ姿に思わずドキッとしてしまった。
「お兄ちゃん、どう?7年ぶりの私のこう言う姿は」
「どうって聞かれても返事に困るよ! 」
「私は、見られて恥ずかしいけど、お兄ちゃんに見られるって思うと嬉しい気持ちにもなってるけどね! 」
「そりゃ、7年前はお互い裸で、一緒にお風呂に入ったりしたけど、すみっちもあれからすごく立派で、可愛い女子高生になってて、魅力的な身体をしてるとは思うけど… 」




