story241 「報われた瞬間」
「優くんは、両方応援するのかな? 」
僕は友華の質問に対してこう答えた。
「僕も瞳さんと同じで、やっぱり両方応援するね!望月投手も好きだし、レオンちゃんも好きだからね。さっちゃんは、どうする? 」
「そりゃ言うまでもなく私も両方応援するよ! 奈由ちゃんもやっぱり両方応援するよね? 」
「うん!もちろんだよ!友美も同じだよね? 」
「あたしもみんなと一緒で両方応援するよ! 」
そして試合は始まっていくが、望月投手は今日も絶好調な投球をしていくためレオンちゃんは、望月投手と3打席勝負するが、いずれも三振に倒れてしまう。
しかしここまで今シーズン5試合に登板して1勝4敗・防御率5.88と苦しんでおり、キレのあるスライダーを決め球としている佐世保ミスターズの木村投手も気づけば、ドリームベイスターズ打線をヒット12本打たれながらも8回まで球数は139球と多いが、無失点と好投している。
そのため0対0のまま9回に進んでいき、2アウト3塁でレオンちゃんの打席が回ってくる。
実況「ここで佐世保ミスターズは、4番キャッチャーの新道選手を迎えます。ここまでは望月投手に完璧に押さえられていますが、ミスターズファンからは、打ってほしい声が聞こえてきております」
するとテレビから応援している瞳さんが僕にこう言った。
「レオンちゃんの調子は決して悪く無さそうだけど、望月投手のピッチングが今日も絶好調だね。優くんは、どう思う? 」
「僕も瞳さんと同じ意見だね。でもここは、レオンちゃんに頑張ってもらいたいかな」
そして気づいたら2ボール1ストライクになっていた。
実況「第5球をど真ん中に投げました!しかしこれは、165キロのジャイロボールで、新道選手は空振りをしてしまいまして2ストライクと追い込まれました」
解説「やはりこのボールを打つのは、難しいですよね! 」
実況「望月投手が抑えるか、それとも新道選手が奇跡のヒットを放つのか?第6球を投げまして内角低めのジャイロボールですが、打ちまして打球はなんとレフト前に落ちていきまして試合がようやく動きました。これで新道選手のヒットで佐世保ミスターズに大きな1点が9回に入りまして1対0になりました! 」
この時、いちご荘メンバー全員が喜んで、さっちゃんがこう言った。
「あのボールをレフト前に運んでいくなんて、レオンちゃんすごすぎだよ!優くんは、今のシーンどう思う? 」
「今までレオンちゃんがいちご荘を離れてから、毎日頑張ってきた努力が、報われたシーンでもあると思うね! 」
「確かにそうだね!今回でもあの通知は、届いてる筈なのに、いちご荘に戻らずにプロ野球界で頑張り続けてるもんね」
ちなみにヒットを放った瞬間レオンちゃんは、すごく嬉しそうな表情をしていた。
その後打線は繋がりそうで繋がらずレオンちゃんが打ったヒットで入った1点のみに望月投手が抑えたため、これから9回ウラのドリームベイスターズの攻撃へと進んでいく。




