story231 「久々の役割分担」
こうしてこれからは、さっちゃんから積極的に近寄ってもらえることになったのであった。
そして翌日の夜、羽衣ちゃんや娘の奈由と友美といちご荘メンバーのみんなが、中央部屋に集まり、7年前の時と同じように美憂姉が仕切って、役割分担の話し合いが始まっていく。
「みんな集まったみたいだから、7年ぶりに役割分担を決めるルーレットをしたいと思います! 」
すると娘の奈由が、手をあげてから質問する。
「美憂ちゃん、質問したいことがあるんだけど… 」
「うん、ぜんぜん良いよ!どのような質問かな? 」
「役割分担と言うのは、どういう意味かな? 」
「役割分担と言うのは、みんなで、することをいくつかに分けて受け持つことなの。例えば、掃除と洗濯があるとしたら、みんなで掃除と洗濯をするのではなくて、1人は掃除をして、もう1人は洗濯をしていくの。そうすることによって、誰か1人だけが疲れてしまうこととか、誰か1人だけが何もしなくて良いって言うのが、出てこなくて済むからね」
すると瞳さんが、奈由に分かりやすい説明をしていく。
「奈由ちゃん、お父さんとお母さんは、家の用事をするときってどんな感じにしてるかな? 」
「お母さんは、掃除をしてくれたり、ご飯を作ってくれたりしてくれていてお父さんは、毎日お仕事に行って帰ってきたら洗濯をしてくれてるね! 」
「それも役割分担してることになるんだよ。だから今からしようとしていることは、今まではお母さんとお父さんだけだったけど、これからはここにいるみんなでしていこうって言う事なんだよ! 」
「あっ、そうなんだね!今、分かった!教えてくれてありがとう! 」
「ぜんぜん良いよ!それじゃ山岡さん、あとは頼むね」
「分かりました、瞳さん!それでは、詳しい説明をしていきたいと思います。いちご荘では、1年に1度又は新メンバーが増えるごとにおこなうため、今から役割分担を決めていきたいと思います。役割は洗濯・食器洗い・掃き掃除・拭き掃除・食事作り(そして食事に関してはすみっちも今回は18歳になったため対象)の5つに分かれます。また、奈由ちゃんなら学校に、友美ちゃんなら幼稚園で毎日頑張ってもらいたいため役割分担のルーレットからは外させて頂いております。あとは羽衣ちゃんも奈由ちゃんと友美ちゃんの送り迎えをするためルーレットからは、外させて頂いております。そのため今回は、5人ちょうどなので全員どこかの役割に当たることになります」
この時僕は、こう思っていた。
7年前の時は、3回とも洗濯係でおまけに洗濯機の都合上で、メンバー全員の下着を洗うことになったからね。
さすがに今回は、洗濯係に当たらないだろう。
それでは、今からルーレットを回していきます」
そしてルーレットが回り始めていき、僕は今回こそ洗濯係から外れることを願い続ける。




