story217 妻の心配
そのため長文にはなってしまいましたが、高層ビルの建設がこの度中止になったことに伴いまして、『いちご荘』の解体工事も中止になりましたことをお知らせ致します。
この度は、お住まいだった皆様に多大なるご負担ご不快とご迷惑をおかけしてしまった事を心より深くお詫び申し上げます。
また、以前『いちご荘』に入居されていた皆様が『いちご荘』に戻られる皆様には、お詫びと致しまして引っ越し代金及び大型家具・電化製品の設置代金を全額負担させて頂きます。
詳しい詳細は、この用紙をご持参の上、お近くの区役所又は市役所などにお訪ね頂きますようお願い致します。
「文面が少し長いような気もするけど、これって簡単に言うとあたいたち、いちご荘に戻れるってこと? 」
「そう言うことになるね! 」
「優くんは、これからどうしたい? 」
「僕は、羽衣ちゃんの意見を聞きたいね」
「あたいとしては、正直戻りたいかな。だっていちご荘であたいは優くんに出逢えて、いっぱいキスしたり、混浴したりしたから思い出がたくさんあるから」
「そうなんだ!それじゃ僕と同じだね!僕もいちご荘で羽衣ちゃんと出逢えて、最初は仲良くなれないのかなって思ったりもした時もあったけど、気づいたらたくさんキスしたり、一緒にお風呂に入ったりしてるうちに僕は、羽衣ちゃんとこれから先もずっと一緒にいたいって思ったりした場所だから」
すると羽衣ちゃんが深刻そうな表情をしながらこう言った。
「優くん… でも1つだけ心配なことがあるの」
「羽衣ちゃん、心配なことってどんなことかな? 」
「この用紙ってあたいたちのところだけじゃないよね? 」
「うん、いちご荘メンバー全世帯に配られてるみたいだからね」
「と言うことは、他のメンバーも戻ってくる可能性があるからそうなると、優くんが他の女の子に興味持ったりしてあたいに飽きられたり、浮気されたり、離婚されたらどうしようって心配になってるの」
「羽衣ちゃん、それなら大丈夫だよ!僕たち夫婦なんだから」
「でも純子ちゃんとか友華ちゃんは、7年前は11歳だったと言うことは、現在18歳になるんだよ!それに2人とも一人の女としての魅力がすごく出てきてると思うから優くんが、惚れてしまわないか心配なんだよ! 」
その話を聞いた僕は、不安な気持ちにさせてしまっている羽衣ちゃんを優しく抱き締めながら言った。
「確かに羽衣ちゃんの言うように2人とも7年前は11歳で今、再会したら18歳だから女としての魅力は、あるとは思う。だけど、僕は羽衣ちゃんの事が他の誰より大好きだから大丈夫だよ! 」
「優くん… それじゃもしあたいが嫉妬したりした時は、その分優くんをいっぱい縛らせてもらうからね」
「それはもちろん良いよ! 」
「それじゃ決まりだね! 」
「でもここからいちご荘までって距離はあまり無いのかな?ほら、僕たちのことだけじゃなくて友美と奈由の事も考えないと」




