story214 「あのツンデレが先生に!」
これって僕たちが昔済んでいた『いちご荘』が現在もあると言うのか。
いやいや、そんなことないでしょう。
そう思いながらも用紙はズボンのポケットの中に入れて靴を揃えてからリビングに急いで戻ると、羽衣ちゃんが僕に質問してきた。
「お父さん、何かあったの? 」
「ううん、何もないから大丈夫だよ! 」
「それなら良いけど…それじゃみんなで朝ごはんにしましょう! 」
それから僕たち家族全員朝ごはんを済ませて荷物の確認をしていく。
そして家族全員で外に出て、まずは歩いて徒歩5分のところにある、友美の幼稚園を送って行きながら羽衣ちゃんが友美にこう言った。
「友美、今日から先生とクラスが変わるけど、頑張ってきてね」
「うん、分かった!お母さん、あたし頑張るっ」
そして友美が通う幼稚園に着いて僕が友美を連れて中に入っていくと、なんとそこには、7年前と比べて大人の女性になっている、さっちゃんこと真中 彩希さんがいたのだ。
「あれ?さっちゃんじゃないか。お久しぶり! 」
すると振り向いてくれて反応してくれたのは、良かったのだがツンツンした感じで話しかけられた。
「久しぶり!優くんが他の女と結婚して子供までいるなんて思わなかったよっ! 」
「久々にあったのに、いきなりツンツンして突っ掛からなくても良いと思うんだけど」
僕が苦笑いしながらそう言うと、さっちゃんがいきなり泣きそうになりながらこう言った。
「私が、この7年間の間どれだけ寂しかったか分かる? 」
「確かに1度も逢えていなかったもんね」
「詳しいことは、また話すけど、私は今年度からここの『いちご幼稚園』の先生として働くことになって娘の友美ちゃんは、私のクラスを担当することになったから」
「そうなんだ!それじゃ娘の友美をよろしくね」
「分かった!今、私の連絡先が書いてある名刺を渡すから、これからはたまにで良いから一緒に逢おうね! 」
そして僕は、その名刺を受け取ってからこう言った。
「もちろん良いよ!それじゃ、僕は長女の入学式もあるからそろそろ行くので、次女の友美をお願いします」
僕は、そう言ってから羽衣ちゃんたちがいるところに急いで戻っていくと羽衣ちゃんが僕に言った。
「さっきのってもしかして、いちご荘で同じだった彩希ちゃんじゃないの? 」
「うん、そうだよ!今日からここの『いちご幼稚園』の担任の先生で、友美の担任にもなってるらしいよ」
「そうだったんだ!まさか彩希ちゃんが、幼稚園の先生になるなんて予想外だったよ」
「確かにそうだね!よし、遅刻しないようにそろそろ今度は、奈由の小学校に行こうか! 」
「あっ、そうだね!奈由、今から小学校に向かうからね」
「うん、分かった! 」
それから僕たちは、長女である奈由の通う小学校に向かっていくのであった。




