Story196「3人の優しさ」
「純子の言うとおりだよ!純子と同じ言葉になってしまうけど、優くんは何も悪くないんだから気にしなくて大丈夫だよ!みんな急な報告で冷静さを失ってしまって受けとめられなさすぎるだけだから優くんは、落ち込まなくて良いからね」
すると羽衣ちゃんが僕にこう言ってくれた。
「まぁ、確かにあたいもいちご荘が無くなる事を聞いた時は、すごく驚いて潰そうとした奴らに何かしたろうかって思ってしまったりもしたけど、優くんは一切何も悪くないから大丈夫だよ。困ったときは、あたいたちがいるんだからいつでも頼ってくれて良いんだよ」
「でも僕は、男だから僕がしっかりしないといけないからね」
「優くん、こう言うときは男も女も関係ないよ!優くんは、もう少しあたいたちに頼ってくれて良いんだからね」
「羽衣ちゃん、すみっち、瞳さんそう言ってくれて本当にありがとう! 」
「お兄ちゃんは、何も悪くないんだからね! 」
「そうだよ!優くんは悪くないんだから大丈夫だよ」
「優くんは、普通にしてたら良いんだよ」
僕は、この時改めて3人の優しさを感じながらこう思っていた。
今までは自分の1番近くにいた美憂姉の事が1番好きだったけど、こう言う時に戻らずに僕を慰めてくれる石井親子の瞳さんとすみっちと羽衣ちゃんの方に心を動かされていくなぁ。
「3人とも本当にありがとう! 」
「優くん、お礼なんて言わなくて良いんだよ。あたいは、優くんのお陰で今があるんだからね」
「お礼なんて入らないよ!お兄ちゃんが落ち込んでる姿は見たくないから」
「すみっち… 」
「そうだよ!優くんには笑顔でいてくれないと私も寂しくなるからね」
「瞳さん…分かりました!落ち込まないようにするね」
「うんうん、そうじゃなくちゃ! 」
「お兄ちゃん、私の部屋に一緒に行こう! 」
「すみっち気持ちは嬉しいけど、すみっちも今は、精神的に一人になりたいんじゃないの? 」
「ううん、私は反対で今は、特に一人になりたくない!それにお兄ちゃんがいてくれるなら私も元気になれるから一緒にこれから元気になろう! 」
「うん、分かった!それじゃ行こう! 」
すると瞳さんは、嬉しそうにしながら僕にこう言った。
「それじゃ、すみっちをお願いするね! 」
「分かりました! 羽衣ちゃん、ちょっとごめんだけど、今からすみっちの部屋に行ってきても良いかな? 」
「良いよ。純子ちゃんも優くんに甘えたいと思うから。」
「羽衣ちゃん、ありがとう。それじゃちょっと行ってくるよ」
するとすみっちは、すごく嬉しそうにしながらこう言った。
「ありがとう!それじゃさっそくお兄ちゃんこっち来てくれるかな~ 」
すみっちは、僕の手を優しく引っ張りながらそのまますみっちの部屋に連れていってくれた。




