Story195「仲間割れ」
「瞳さんの言うとおり落ち着かないかな!悲しい気持ちや納得いかないのは分かるよ!でもそれは一人だけじゃないの。私を含めたメンバー全員が同じ状態になっているんだから頑張って落ち着こうよ」
すると愛理ちゃんがイライラしながらよしりんに言った。
「言いたいことは分かるけど、落ち着けないよ!私は、これから新しい夢に向かって頑張っていこうとしてるところなのに」
「愛理ちゃん、みんな同じ状態なんだよ!それに気持ちは分かるけど、ちょっと自分勝手だと思うよ」
よしりんは優しく言ってるのだが、愛理ちゃんのイライラが止まらず突っかかってしまう。
「自分勝手ってなんだと!ここでは先輩だからっていい気になるんじゃないよ」
「愛理ちゃん、そんなこと思ってないから! 落ち着こうよ! 」
その後もメンバー同士でぶつかり合いになってしまい僕が止めようとすると瞳さんがこう言った。
「少しだけ様子見てからの方が良いと思うよ。ある程度自分の意見を言えることによって落ち着きを取り戻す人もいるからちょっとだけ我慢してくれないかな」
「そうなんだね!それじゃ様子見て見ることにするよ」
「悪いけど、頼むわね! 」
それから僕は、瞳さんの言われた通り少し様子を見てみると瞳さんの言うとおり落ち着きを取り戻すメンバーも出てきたのだが、愛理ちゃんは相変わらずイライラが止まらず一言言ってから部屋に戻っていった。
「私は、こんな現実受け止められないから! 」
そして最初は大丈夫だった美憂姉もイライラしてきてしまい僕にこう言ってきた。
「優くんは、この件についてどう思う! 」
「僕も悲しい気持ちは、すごくあるけどよしりんや瞳さんが言うようにみんな同じ状態にあるから難しいとは思うけど、頑張ってゆっくり落ち着くのが良いと僕は思うよ 」
僕は、優しく話したのだが今の美憂姉は冷静になれないのかこう言われた。
「あっ、そう! 頑張って落ち着こうって言われてもこんな良い家が無くなるんだよ!そんなのそう簡単に受け止められるわけがないじゃない! ちょっと一人にさせてくれない… 」
「あっ、美憂姉… 」
美憂姉は一人で部屋に閉じ籠っていってしまったのである。
すると他の一部のメンバーたちも暗くなりながら自分の部屋へと戻っていき中央部屋に残ったのは、羽衣ちゃんと瞳さんとすみっちと僕の4人になり思わず下を向いてしまうとすみっちが、そっと僕の隣にやって来てくれて声をかけてくれた。
「お兄ちゃんは、何も悪くないんだから落ち込まなくて良いよ」
「すみっち… でも僕のせいでみんなが… 」
「ううん、みんな今の現実を受けとめられなさすぎるだから大丈夫だよ! 」
「そうなのかな…瞳さんは、どう思うかな? 」




