story186 「受験の結果発表」
「いちご荘にいられる残りも少ないけど、最後までよろしくね」
「もちろんだよ!僕の方こそよろしくね」
こうして次回のガールズトーク討論会の開催日といちご荘が無くなる事についての発表を近々瞳さんすることが決まったのであった。
そしてその日の夕方に僕がお風呂に入りながらため息ついてこう思っているといきなりお風呂の戸が開いてきて羽衣ちゃんが入ってきた。
もうすぐしたらいちご荘が無くなってしまうんだな。
そう考えるとすごく寂しい気持ちになってきてしまうね。
「優くん、一緒に入ろう! 」
「羽衣ちゃん、いきなりどうしたんだよ」
「どうしたのって優くんと一緒に入りたくなったからだよ。それより聞いてほしいこともあるの」
「聞いてほしいことってどうしたの? 」
すると羽衣ちゃんが浴槽の中に浸かってきて僕の身体にくっついてきながらこう言った。
「優くん、実は今日あたいの大学受験の結果発表の日だったの」
「それで羽衣ちゃんどうだった? 」
僕がその内容について聞いてみると羽衣ちゃんは、下を向いて落ち込みながら話始めていく。
「それが結果発表を見てみたらあたいの番号が載ってなくて先生にも聞いてみて確認してもらったけど、どこにも載ってなくてダメだったんだ」
「そうだったんだ。羽衣ちゃん一生懸命頑張っていたのにね」
「優くん、これからあたいは、どうしていけば良いんだろう… 」
「羽衣ちゃん、小説を書き始めてたよね? 」
「うん。一応書いてみようと思って未送信メールの中に書いていったりは、したんだけどなかなか上手く書けそうにないんだよ」
「そうなんだ。それは大変だね」
「そうなんだよ。それにあたいは、特に夢っていう夢が他のメンバーみたいにあるわけじゃないから」
「でもこの間、羽衣ちゃん僕と結婚したいみたいな事は言ってたと思うけど」
「それはそうなんだけど、それはあくまでも優くんがあたいを選んでくれた場合の話だから、変な話になるけど優くんが最終的にあたいを選んでくれるとは限らないでしょ? 」
「まぁ、そうだね… 」
「そりゃ優くんがあたいを選んでくれて一緒に結婚してくれて、えっちもしてくれるならあたいは、それだけで十分嬉しいし最高に幸せになれるけどね。でもそうならなかった時の事を考えるとあたいは、これからどうしたら良いんだろうって思うし、優くんはあたいが大学に行けなくなるとイメージ落ちてしまうでしょ」
「それは絶対にないよ。だって僕は、大学に行けるから高校に行けるからその人のイメージが上がるって事はないから! 」
「それなら良いんだけど、やっぱりあたいは優くんがいないと生きていけないみたい… 」
すると羽衣ちゃんが僕にぎゅっと抱きついてきながらいきなり左右交互にほっぺたにキスを繰り返してきながらこう言った。
「優くん、こんなわがままなあたいで本当にごめんね」




