story167 「 冬の役割決め」
すると友華ちゃんが、美憂姉に質問をする。
「質問を少ししたいのですが、メンバーは全員で9人いると言うことは、そのうち4人はどこにも当たらないって事になってしまうと思うのだけど、これはどうなるのかな? 」
「この質問は、前からよくあるのですが、どこにも当たらなかった方は、次回の役割分担の時に必ずどこかについてもらうと言う約束のもと、今回の役割分担からは外されるため、お休みになります。ちなみに羽衣ちゃんは前回どこにも当たらなかったため今回は必ず当たるよう調整しております」
「そうなんですね!それなら良いルールですね」
「トラブルが起きないように瞳さんが考えてくださっていますからね。それでは、今からルーレットを回していきます」
そしてルーレットが回り始めていき、僕は今回こそ洗濯係から外れることを願い続ける。
ちなみに今回は、前回当たらなかった愛理ちゃん、そらちゃん、瞳さんは必ず当たるようになっている。
しばらくするとルーレットがゆっくりと止まっていき美憂姉が、発表していく。
「それではルーレットの結果を発表していきます。食器洗いが瞳さん、拭き掃除が愛理ちゃん、そして洗濯係はなんと3回連続優くん、掃き掃除は、そらちゃん、食事作りは2回連続で、さっちゃんになりました」
僕は、前回同様にその結果について美憂姉に事情を話す。
「美憂姉、さすがに3回連続は出来ないよ!
特に友華が嫌がるに決まってるじゃないか」
すると友華ちゃんは、顔を赤くしながら僕にこう言った。
「優くんの洗濯係については、いちご荘に入る前に瞳さんから聞いてる上に、前から純子ちゃんからも聞いていたから、分かってるよ。確か洗濯機の関係上、靴下とパンツは手洗いなんだよね? 」
「うん。そうなんだよ」
「優くんが洗ってくれるならもちろん良いよ!すみっちに前から聞いてて、優くんに洗ってもらうと元気が出るんだって言ってたからね」
僕は、恥ずかしそうにしながらすみっちに優しく注意する。
「すみっち、変なこと言わないでよ。すごく恥ずかしいじゃん」
「お兄ちゃん、別に良いじゃない!
だってお兄ちゃんには、信頼と実績が既にあるんだから」
するとここで、よしりんもこう言ってきた。
「そうだよ!優くんには安心の信頼と実績が、あっていちご荘女子人気No.1なんだからね! 」
「よしりん、そのフレーズ、テレビやラジオのコマーシャルで探したらありそうだよ」
「安心の信頼と実績は、重要だと思うよ。おまけに優くんがパンツを洗ってくれるとプロレスの練習をする時の活力にすっごくなってるからね。特にこれからプロレスラーとして良いデビューをするためには、今まで以上に頑張らないといけないから活力が上がると上がらないのとでは、差が大きく開いてくるからね」
「毎日活力になってるって言ってもらえると嬉しいけど… 」