Story160「移動の時が」
「はい!是非楽しく過ごさせて頂きたいと思います」
「これからクリスマスとかもあるからこの時期にいちご荘に来れて良かったんじゃない? 」
「はい、すごく良かったです。私は今まで施設で暮らしていたのですが、毎日が憂鬱でしたが、ここではすごく楽しい生活が出来そうです」
「是非良い思い出を作っていってね。 それではあとは、美憂会長お願いします」
「分かりました!それでは下岡友華さんの歓迎にカンパーイ! 」
「カンパーイ! 」
メンバー全員がそう言ってから歓迎会が始まっていきテーブルには、色んなジュースやコーヒーと色んな食べ物がたくさん並んでおり、そらちゃんとすみっちが早くも唐揚げから食べ始めていく。
「うん、唐揚げ美味しい! 」
「そらちゃん、この唐揚げすごく美味しいね」
すると友華が嬉しそうにしながら僕に話しかけてくる。
「優くん、逢いたかったよ! 」
「まさか友華が、いちご荘に来てくれるなんて思っていなかったからすごく嬉しいよ」
「そうだ! 明日から本格的にここで住むことになるんだけど、ちょっと話しておきたいこととかあるから明日の夕方、部屋に来てくれないかな? 」
「うん、もちろん良いよ! 」
「ありがとう!それじゃ明日の夕方、お願いね」
こうして僕は、明日の夕方に友華の部屋に行くことになった。
そして次の日の午前に以前話していた通り、僕は、羽衣ちゃんと同じ部屋に変わるのだが、現在僕の部屋に美憂姉がいる状態であるため美憂姉が部屋の移動の準備を進めていた。
「美憂姉、ごめんね」
「なんで優くんが謝るんだよ! 」
「だって僕のせいで美憂姉が部屋を移動しないといけない形になってしまったから」
「優くんは、何も悪くないよ。それに私は、羽衣ちゃんの病気がいち早く治ってほしいって思ってるからね。私、たまに羽衣ちゃんとその件について話し合ったりすることがあるんだけど、表情とか見てると羽衣ちゃん、すごく辛そうだもん」
「そうだね。羽衣ちゃん本人も治そうと頑張ってるからね」
「あとは、今でも優くんに対して刃物を向けてしまった罪悪感が消えていなくて、今でもその事を思い出してしまうと自分をすごく攻めようとしてしまうみたいだからね。だから羽衣ちゃんは、見てると病気を治したいけど、なかなか思うように治らなくて苦しんでる感じみたいかな… 」
「そうなんだ…今でもあの時の罪悪感が残っているんだね。そう考えると、羽衣ちゃんってズバッとしてるところもあれば、ものすごく神経質な一面もあるんだなって思うね」
「そうだね。だから私だってそりゃ、優くんとこのまま同じ部屋にいたいのが、本音では正直あるけど、羽衣ちゃんの病気を治してあげられるのは、私でもなければ他のメンバーでもなく、優くんしかいないから瞳さんもすごく悩まれた上で、今回の決断をされたと思うよ」




