Story156「重大なお知らせ」
「それは私も前からすみっちから聞いていたから考えていたんだけど、友華ちゃんがどう思うかなって思ってね。実は、まだここだけの話になるんだけど、来年の3月1日にいちご荘がなくなることになったの」
僕は、そう言いながらこの時何かの間違いか嘘であってほしいと強く思った。
「いちご荘がなくなるってどうしてですか? もしかしてこの間の不動産屋の件と繋がりがあったりする? 」
「実は、この辺って駅前に近いでしょ? 」
「そうだね!だいたい徒歩5分くらいで駅だからね」
「それで市と県の共同でこの辺りに高層ビルを建設させてビジネスを広げていきたいって言うことで、前から話にはなっていたんだけど、急に先月の10日くらいに建設が決まってしまってその建設に関わる不動産から連絡がきたのよ。もちろん私は、反対だから抗議したからこの間でも直接不動産屋までいったよ!だけど国からの承認も降りてる上にこれは絶対だからって言われたの」
「建設に賛成した人とか計画した人酷いよね」
「そうだよね~今日を省いたらあと4ヶ月きってるんだよ!前に優くんに買い物に行ってるメール送ったことあったでしょ? 」
「うん、あったね! 覚えてるよ」
「だけど実際は違ってあの時も直接抗議しに行ってたの!だけどダメだったの…一応家の大家をしている私には代償金として500万円とここに住んでいる住人には、慰謝料として一人あたり50万円が振り込まれる事が決まってるんだけど、お金で解決しようとしてるのが見え見えで腹立つよ」
「確かにそれは僕も腹立つよ! 許せないよね」
「だよね!だから私、最近精神面がかなり弱ってるの…でもさっき優くんの優しいところとか男らしいところを見た時にすごくドキドキしてしまって私を一人の女性として優しく扱ってくれたお陰で今は、だいぶん精神面は回復してるけどね」
「そりゃ弱るよね! 今後どうなるんだろうってなるからね。しかしそうなると僕は、理解できたけど明日他のメンバーに話すときに理解してもらえるかどうかだよね… 」
「そうだよね…純子にもまだ話せていないからなぁ… 」
「すみっちに話したりしたらすごく騒ぎだしそうだからね」
「そうなんだよね。だから今は、まだ誰にも話せないんだよ。特にこれから冬休みもやって来て、クリスマスやお正月やバレンタインも控えてるから余計に難しいんだよ」
「そうだね。今からメンバーたちに言ってしまうとクリスマスやバレンタインとかが楽しく過ごせなくなってしまいそうだしね」
「だから友華ちゃんがいちご荘に来るとしても、事前にその事について納得してもらった上でじゃないといけなくなるからね。もちろんいちご荘がなくなった後も私は友華ちゃんの母親代わりになって育てていくつもりだからその事も事前に話しておくけどね」
「それだと友華ちゃんは、いちご荘には難しそうだな」
「そうだね。でも取り敢えず今度、友華ちゃんと友華ちゃんがいる施設の人と直接話してみるよ」




