Story14 「バレそう」
「ほんとに?ありがとう!ごめんね」
「謝らなくて良いよ!むしろ言いにくいのに話してくれて見せてくれたと言うのは、良いことだと思うから」
「やっぱりお兄ちゃんは、優しいね!さすが羽衣ちゃんを一人の女の子に戻してあげただけあるよ」
「あの…すみっち。一人の女の子に戻してあげたって言う言い方は困るんだけど」
「優くん どうしてなの? 」
「一人の女の子に戻してあげたって他の人が聞いたら、まるで僕が羽衣ちゃんに変なことしたのって誤解されるから」
「あっ、そうだね。 でもやっぱり私は、信頼関係は必要だと思ってるからね」
「確かにそれは僕も思うかな。やっぱり仲良くなるにあたって信頼関係がないと仲良くなんてなれないもんな」
「そうだよね。ねぇ…これからもよろしくね」
「僕の方こそよろしくね」
こうして僕とすみっちの仲は深まったのであった。
それからすみっちは、自分の部屋に戻っていき僕は、布団とかを用意して眠りについた。
そして翌日の朝、僕は起きてからこう思っていた。
本当に美憂姉の言う通りになりつつあるな。
女の子とは、無縁と思っていたけど、まさか夢の話だと思っていた事が次々に起きるとすごく幸せを感じてしまうな。
するとノックの音が聞こえた。
「はい! 」
「優くん、美憂だよ! 」
「美憂姉、入って良いよ」
そして美憂姉がゆっくりと入って座った。
「1つ聞きたいんだけど、羽衣ちゃんの顔がずっと赤いんだけど、もしかして優くん、何かしてみたの? 」
「ちょっと話してみただけだけど… 特に変わりはないよ」
「そうなんだ~ いや、熱があるようにも見えないからどうしたんかなって思ったんだよ。でもたぶんだけど、羽衣ちゃん優くんに興味持ってるかもしれないね」
僕は、この時危ないバレそうと思った。
「そうなのかな?でも態度は相変わらずだけどね」
「実は、昨日話してみたの。
『優くんについてどう思う? 』
『早くいなくなれば良いと思うけど』
って言う返答だったんだけど、最近の羽衣ちゃんとは違って、泣きながら言ってたのよ」
「泣きながら言ってたの? 」
「そうなのよ。だから私は、優くんに心を開き始めてると思うの」
「そうなんだ! 」
「いつか仲良くなれるといいね! 」
「うん、そうだね」
「それじゃそろそろ今日は、会議があるから中央部屋にいこっか」
「はい! 」
それから僕たちは、いちご荘の中央部屋に移動した。
すると美憂姉がみんなに話始める。
「それでは、今日からは南川くんも引っ越してきて3日目になりましたので、いちご荘の役割分担を変更したいと思います。いちご荘では、1年に1度又は新メンバーが増えるごとにおこなうため、今から役割分担を決めていきたいと思います。役割は洗濯・食器洗い・掃き掃除・拭き掃除・食事作り(但し、すみっちは11歳なので当たったとしても無効)の5つに分かれます」




