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いちご荘の彼女たち  作者: まっさー
シーズン3 ~fall strawberry~
138/302

Story135「言いにくいこと」

  「そうだったんだ。それじゃ明日は一緒にたくさん食べようね」



  「うん、そうだね」



  こうしてドリームベイスターズが日本一に輝いたため明日から期間限定で、巻き寿司の激安が行われることになった。



  そして次の日、僕は、瞳さんと巻き寿司を買いに近所に出掛けていると瞳さんが恥ずかしそうにしながらこう言ってきた。



  「優くん、少し手繋ぎたくなったから繋いでも良いかな? 」



  「うん、もちろん良いよ」



  すると瞳さんが僕の手をゆっくりと繋いでくれた。


  「瞳さん、ありがとう」


  「ううん、だって久々の2人きりだからドキドキしたいなって思ったの」



  「僕も瞳さんと久々の2人きりでドキドキしてるよ」


  会話をしていると近くのコンビニにたどり着いた。


  「それなら良かった。それじゃここのコンビニちょっと覗いてみようか」



  「そうだね。一番いちご荘から近い場所だしね」



  それから僕たちは、コンビニに入ってみることにした。

  そして中に入ってみるとたくさんの巻き寿司が並んであり『ドリームベイスターズ日本一優勝セール』と題して普通の巻き寿司が通常400円するものが、なんと100円という衝撃価格になっており、さらにサーモン巻きは衝撃価格の120円とあり得ない価格になっていた。


 僕たちは、ものすごく驚いた。



  「瞳さん、本当に激安になってる。しかも全部200円以下で売られてるよ」



  「すごいね!信じられない価格だよ。取り敢えずたくさん買っちゃおうか」



  「うん、そうだね。おまけに種類もたくさんあることだしね」



  それから僕たちは、たくさんの激安巻き寿司を買ってからコンビニを出ていちご荘に帰ろうとすると瞳さんがいきなり話し始めた。


  「優くん、ちょっと話したいことがあるんだけど良いかな」



  「うん、良いけど瞳さんいきなり暗そうにしてどうしたの? 」



  「実は、私ね不妊症なの。だからもし仮に優くんがいつか選ばないといけない日がやって来て純子と私を選んでくれたとしても、私は子供が出来ないの。別に純子がいるからもう1人欲しいっていう気持ちは、あまり無いんだよ。でも一人の女として29歳の段階で不妊症って精神的に辛いし、治る見込みがあるならまだ良いけど、たまに産婦人科に行ったりして色々治療方法を試したりしたんだけど、この間の診察の時に医師から治らないって言われたの」



  「そうだったんだ。不妊は辛すぎるよね」



  すると瞳さんは、泣き出しながらこう言った。



  「そうなんだよ。女にとっては、すごく辛いことなんだよ。優くんに隠しておこうかなって思ったりもしたけど、やっぱり好きな人にこのまま黙っておくのは良くないって思ったから打ち明けたの。でもこんな私嫌だよね」


  「そんなことないよ。だってすごく話しにくいことを僕に話してくれてすごく嬉しいよ」



  「そう言ってくれてありがとう!でもこれだけは言っておくけど、私はこの話で優くんを奪おうと気持ちはないから。ただ私の今の気持ちを聞いてほしかっただけだから」

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