Story134「一球一瞬」
試合を観ながら瞳さんがつぶやくと美憂姉が返事する。
「巻き寿司が激安になったらここでみんなでパーティ出来そうだね」
「そうですね。みんなで集まれる機会は、あまり無いので巻き寿司パーティを是非したいですね」
そしていよいよ望月投手が野手として打席にたっていく。
実況「9回裏ドリームベイスターズは、先頭打者の狩野はフライアウトになってしまいましたが、次のサンチェスがなんとスリーベースを放ちまして1アウト3塁で、今日は既に139球を投げていますエースの望月勝がバッターボックスに向かっていきます。ここでヒットあるいは犠牲フライでもサヨナラ勝ちとなりましてドリームベイスターズの日本一が決まります。今日は3打数2安打1打点と野手としても活躍しております」
テレビを通していちご荘メンバー全員、見守っており愛理ちゃんがレオンちゃんに質問する。
「レオンちゃん、これって敬遠させられたりしないのかな? 」
「本来なら望月投手は、投手でありながら打撃力も野手同様にあるから敬遠させつ次のバッターと勝負してダブルプレーを狙いにいくのが一般的かな。でも望月投手が投げるときは、どんなに厳しい場面でも勝負を避けようとはしない、つまり敬遠はしないのを相手チームも理解してるから勝負してくると思う」
「そうなんだ。てっきり敬遠されるのかと思ったよ」
「もっと言うならば、仮に敬遠させて一塁に歩かせたとしても投手からしたら望月投手が塁に出られると威圧されて集中力が低下してしまうから相手投手には、デメリットしかなくなるから勝負せざる得ないんだよ」
「望月投手ってほんとすごいんだね。レオンちゃん教えてくれてありがとう」
そして試合は、望月投手が2ストライクと追い込まれていた。
実況「2球ともバットを振らずに見ています。これは何か起こりそうな予感が、ものすごくしております!
そして第3球投げて、打ったー! 打球は、どんどん伸びていきます。 これはヒットでも犠牲フライでも無さそうだ!打球は、なんとスタンドまでどんどん伸びていきましてサヨナラホームランで試合終了! 日本選手権シリーズを制したのは、神戸ドリームベイスターズです! 」
サヨナラホームランの様子を見たいちご荘メンバーは、大喜びしている。
そしてレオンちゃんが呟きながら感動していた。
「やっぱり望月投手は、すごいなぁ」
するとその中で、すみっちが早くもはしゃぎ始めている。
「やったー! これで明日は、いちご荘のみんなで巻き寿司パーティが出来るね。 優くん明日は、いっぱい楽しもうね! 」
「そうだね、すみっち。いちご荘のみんなで楽しめることが増えるのは、僕にとってもすごく嬉しいことだよ」
僕がそう言うとよしりんが嬉しそうにしながらこう言った。
「巻き寿司は、食べるの久々かもしれないよ! 」
「よしりん、そうなの? 」
「うん、小さい頃は食べた事は、そこそこあったけど最近では食べる機会がなかったからね」




