Story12「妹」
羽衣ちゃんと仲良くなれた夜の事である。
ようやく引っ越しの荷物が全部届いて片付けもあとは、布団を段ボールから出したらやっと終わる。
よし!頑張るぞ!
気合いを入れると部屋のノックの音が聞こえた。
「はい! 」
「すみっちだよ~ん! 」
「入って良いよ! 」
するとすみっちが僕の部屋の中に明るく元気よく入ってきた。
「お兄ちゃん~ 遊ぼう! 」
「お、お兄ちゃんって急にどうしたんだよ」
「実は私 昼前の優くんと羽衣ちゃんの一部始終聞いちゃったわよ~ 」
「えっ?いつの間に? 」
「私がちょっとトイレに行こうとして羽衣ちゃんの部屋を通っていたら最初は、まるで大事件っていう感じの会話が聞こえてきてこれは、みゆちんを呼んだ方が良いかなって心配してたらお兄ちゃんが良い台詞を連発して、羽衣ちゃんを一人の女の子に戻してあげたという感じになって、そしたら今度は、羽衣ちゃんの可愛い声が聞こえてきたんだよ」
僕は、この時聞かれていたことについて驚いていた。 「困ったな~ そうだったんだ。でも今は、羽衣ちゃんのためにも内緒にしてくれないかな? 」
「お兄ちゃんがそこまで言うなら良いよ。
その代わり私を優くんの妹にしてくれないかな? 」
「い、妹ってなんでだよ」
「私、前からお兄ちゃんが欲しかったのよ!でもなかなか環境に恵まれなくて困っていたの。それに仲良くなりたいから」
「う~ん、そこまで言うなら分かった! それじゃ僕の妹と言うことにしてあげる」
「ほんとに、良いの? 」
「その代わりさっき話した件については、内緒にしてね」
「わーい、ありがとう!もちろん内緒にするからね! 」
するとすみっちは、いきなり僕のベットに寝転がる。
「すみっち、まだ布団とか敷けてないし、何してるんだよ」
「やっぱり仲良くなるには、ちょっとドキドキした事も必要じゃん。 それに私をお兄ちゃんに妹としてちゃんと認識にしてもらうためにもインパクトを残した方が良いかなって思って」
「残さなくて良いよ! 」
「羽衣ちゃんには熱心にして私には雑に扱うつもり? 」
「それは違うよ!みんな平等にするつもりだよ」
「平等にするつもりなら、ちゃんとしてよね? 」
「分かった!ちょっとするよ」
僕がそう言うと、すみっちは調子に乗り始めていきなりポケットから遊び用の聴診器を取り出した。
「それじゃ、これで遊ぼう! 」
「良いけど、どうやって遊ぶのかな? 」
「それじゃ私がお手本を見せるね。お兄ちゃん、どこか体調は悪くありませんか? 」
「うん、特に大丈夫だとは思うけど、少し熱っぽいかな? 」
「それでは、さっそく診察するので、服をめくってください」
そして僕は、上の服をめくるとすみっちは、僕のお腹や胸に聴診器を当ててくるのだが、この時僕はすみっちの狙いに気づいたのだ。
しまった…これは逆の番もあるかもしれないんだな。