Story121「どんな服装でも」
「あたしは、スーツ姿じゃないかな。一瞬ぜんぜん興味持たれなさそうにも見えるかもしれないけど、大人の女っていう感じで女性のスーツ姿は結構人気らしいから」
「スーツ姿が良いっていう男性もたまにいるみたいだね。瞳さんは、どう思いますか? 」
「私は、やっぱり制服じゃないかな。男性からみると大人になってから好きな女性と出逢って付き合うようになったりしたら学生時代ってどんな姿だったんだろうって気になると思うからね」
すると美憂姉が僕にこう言ってきた。
「それじゃ、みんな意見がバラバラで大変だと思うけど、そろそろ優くん結論をお願いするね」
「うん、分かった。僕、個人的には興味がある女の子なら制服姿であっても、メイド服の姿であっても、割烹着であっても、白衣姿であってもドキドキしてしまうから服装は、問わないかな」
僕が思ったことをみんなの前で話していくと羽衣ちゃんが嬉しそうにしながら話してくる。
「やっぱりそうだよね!だって好きな人の姿って例えどんな姿であったとしても輝いて良いように見えるものだからね。と言うことは、優くんはあたいの制服姿にいつもドキドキしてくれてるんだね」
「そりゃ羽衣ちゃんの制服姿は、いつもドキドキしてるよ! 」
僕が嬉しそうに話しているとよしりんが納得そうな表情をしながらこう言った。
「やっぱり優くんの意見は、いつ聞いても納得してしまうし、自分が思っていた意見と違っても優くんの意見を聞くとスカッと納得出来てしまうからね」
「よしりん、そんなことないよ!僕は、ただ自分が思っている意見をそのまま話しているだけだよ」
するとさっちゃんも似たような事を少しツンツンしながら話してくる。
「よしりんの言う通り、優くんの意見には、すごく説得力を感じるからね。 べ、別に優くんの意見に流されてるって言うわけじゃないからねっ」
「さっちゃんにそう言ってもらえると嬉しいよ! 」
「別に思ったことを言っただけだから変に調子に乗らないでよね」
こうして第5回目となったいちご荘恒例のガールズトーク討論会は、無事に終わったのであった。
そして気づけば9月から10月になっていき秋も本格的になっていく中で、僕が中央部屋にある椅子に座っていると、よしりんがやって来た。
「優くん、ちょっと話したいことがあるんだけど良いかな? 」
「うん、良いけど何かあったのかな」
「実は、来週私が好きなアーティストのツナーポケットのシングルの新曲が発売されるのだけど、良かったら一緒に買いに行かないかなって思って… 」
「うん、良いよ!来週なら特に予定も無いから大丈夫だし、たまには2人で出掛けたいと思っていたから」
「ありがとう! プロレスの練習も今まで以上にしておかないと昨日、電話がかかってきてプロレスラーになれることが決まったの」
「すごいじゃん、良かったね! おめでとう! 」