Story113「スマホなら聞いたことあるけど」
「それにしてもレオンちゃん上手いね! 」
「そんなこと無いよ。たまに空振りしてしまう時もあったからまだまだだよ。練習に付き合ってくれてありがとう! 」
「ぜんぜん良いよ!これからも一緒に頑張って行こうね」
「うん!」
こうしてレオンちゃんの挑戦は、始まっていき僕も手伝うのであった。
そして1週間後、夜ご飯をみんなで食べてるときに瞳さんが嬉しそうにしながら3枚のチケットをテーブルに置いてからこう言い出した。
「みんなそう言えば、今日商店街で買い物していたら秋のくじ引きキャンペーンをしてて参加賞のティッシュを目的に参加したら1等が当たったんだよ! 」
すると美憂姉が驚きながらコメントする。
「1等ってすごいじゃないですか!ちなみに何が当たったんですか? 」
「実は、近くの旅館の一泊二日のチケットが3枚当たったんだけど、問題があるのよね。なんの問題か美憂会長分かる? 」
「有効期限があまりないとかでしょうか? 」
「ううん、実は3枚というのは、どうやら家族の設定らしくて夫婦と子供1人でチケットの枚数が3枚らしいの。だから1枚のチケットの名義には、石井瞳様って印字されてるからね」
「それじゃ、瞳さんと純子ちゃんは親子だから2枚は埋まるとして残りの1枚がどうなるんだろう… 」
「別に結婚してなくても良いみたいなんだけど… 」
瞳さんは、いきなり僕の方に目線を向けてきたので、コメントすることにした。
「そうなんだね。これって女性だとダメなのかな」
「それは、ダメみたいだの。だから優くんにお願いがあるんだけど、私たちと一緒に来てくれないかな? 」
「えっ、僕? 」
「うん、男性でってなったら優くんしかいないから」
「別に良いけど、他のメンバーから変に思われないかな」
「それなら大丈夫だよ!だってラブホに行くわけじゃないんだから」
僕は、まさか瞳さんの口からラブホという言葉が出てくるとは思わなかったため顔を真っ赤にしながら返事する。
「瞳さん、変なこと言わないでよ」
「あっ、ごめんね! 」
するとすみっちが瞳さんに質問する。
「お母さん、ラブホってどういう意味なの?
スマホなら知ってるけど…」
「純子、ラブホとはラブホテルの意味だよ」
「ラブホテルってどういう意味なのかな? 」
さすがの瞳さんもこの質問には、戸惑いを隠しきれないようだ。
「どう意味って言われても説明が難しいんだけど… 」
僕が代わりに興味を持たれないようにすみっちにこう説明する。
「すみっち、ラブホテルって言うのは、好きな人同士が40歳くらいになってから若返りを目的にいく場所なんだよ」
「そうなんだぁ!てっきりラブラブの男女が泊まるホテルかと思っていたよ。
若返りを目的にいく場所なら私たちには関係ない場所みたいだね」
もちろん誤魔化すための嘘であって、実際はすみっちが思っていた意見が正解である。




