Story103「超ダッシュで」
「美憂姉、どうして分かったの? 」
「そりゃ、優くんとこれだけいたら分かっちゃうわよ! 」
「さすが美憂姉だよ!それじゃ明日は、僕も仕事で羽衣ちゃんを安全のために学校まで送ってあげないといけないからそろそろ寝るよ」
「うん、分かった!あっ、ごめんだけど一つだけ聞くけども羽衣ちゃんの病気は、まだ完治してないのかな? 」
「うん。だいぶん良くはなってきて最近では刃物を外に持ち歩かなくなって来てるんだけど、まだ見てると目付きが怖いんだよ」
「そうなんだね。と言うことは、まだ完治するには時間が必要そうだね」
「そうだね。それだけ羽衣ちゃんが昔に辛くて嫌な思いをして心と身体に大きな損傷があったと言うのが日々分かる気がするよ」
「いつか治ると良いね」
「そうだね!でも焦らずゆっくり治していく事が大切かなってね」
「確かにそうだね。あっ、優くんありがとう!それじゃ今から寝ようか」
「うん、そうだね。美憂姉、おやすみ」
「優くん、おやすみ」
それから僕たちは、大切な話をしてから眠りにつき夏休み期間が終了して8月から9月になった。
そして朝になって僕たちが仕事にいく用意をしていると羽衣ちゃんが慌てながらカバンの中を確認していた。
「羽衣ちゃん、大丈夫? 」
「うん、大丈夫なんだけど夏休み期間に久々ゆっくりしすぎたから今日が始業式なのに朝がなかなか起きれなかったんだよ」
「そうだったんだ。良かったら僕も何か手伝うよ」
「ううん、そこはあたい出来るから大丈夫だよ。そうじゃなくても優くんにはいつも大変な思いさせてるんだから」
「そんなことないよ!僕は、羽衣ちゃんのためならぜんぜん大変だなんて思ってないよ」
すると羽衣ちゃんは、嬉しそうにしながら僕に抱きついてきた。
「優くん、ほんと優しいんだね。いつも本当にありがとう! 」
「そんなことないよ。僕も羽衣ちゃんにはお世話になってるからね。
このまま抱きつかれたい気持ちはあるけど、羽衣ちゃんが遅刻したら大変だから準備できたら行くよ」
「それもそうだね!よし、ここからは超高速で用意してダッシュで高校まで行くよ」
「羽衣ちゃん、僕は走るのが苦手なんだよ」
「苦手なら克服した方が良いから尚更ダッシュの方が良いよ!それじゃあたい、用意出来たから先行くね」
「羽衣ちゃん、ちょっと待ってよ! 」
僕は、羽衣ちゃんの後を急いでダッシュで追いかけていきながら付き添いのため一緒に高校まで向かっていったのであった。
そして僕がだいぶんダッシュで走っていくと羽衣ちゃんの姿を見えてきてなんとか追いついた。
「はぁはぁ。羽衣ちゃん早すぎるよ! 」
「待ってあげたい気持ちはあったんだけどあたいが通ってる高校は遅刻にすごく厳しいんだよ」
「高校も大変なんだね」
「そうなんだよ!確かに腹立つ時もあるけど自分の将来のためだからな」
そして走りながら話していると羽衣ちゃんが通う高校に到着した。
「優くん、いつも本当にありがとう! 」
「ぜんぜん良いよ!高校頑張ってね」
僕がそう言うと羽衣ちゃんが可愛くこう言ってくれてから高校の中に走りながら入っていった。
「ありがとう!優くんもお仕事頑張ってね! 」
「羽衣ちゃん、ありがとう」
僕は、いちご荘に来てから約5ヶ月になりいちご荘での生活にもだいぶん馴れてきた。
そしてこれからもみんなと一緒にいちご荘で過ごしていけることを願うのであった。




