Story96「溺れる?」
「すごく可愛いじゃん! 」
「ほんとに?それなら良かった」
「お兄ちゃん、私のはドキドキする? 」
すみっちは、ピンクのビキニをつけている。
「すみっち、すごく似合うしすごく可愛いよ」
すみっちの方は、子供っぽさもありアイドルのようにも見えるため顔が赤くなりながらも見とれてしまった。
「それなら良かったってお兄ちゃん、ジッとみてどうしたの? 」
「すみっちは、アイドルにも見えるからつい見とれてしまったんだよ」
「あっ、そうだったんだね!アイドルにも見えるなんて言ってもらえるとものすごく嬉しいよ!それじゃ今からみんなで泳ごう」
そして僕たちは、暑い夏に楽しく海に泳いでいこうとするのだが、レオンちゃんは問題なくスイスイ泳いでいく一方ですみっちは、かなり浅いところで溺れかけてしまい僕が急いで助けにいく。
「すみっち、大丈夫か! 」
「お兄ちゃん、なんとか大丈夫だけど怖いよ! 」
「今、助けるから大丈夫だよ」
そして僕は、すみっちを抱き抱えてなんとか溺れずに無事助かったが、すみっちの表情が今にも泣きそうである。
「お兄ちゃん、助けてくれて本当にありがとう! 」
「ぜんぜん良いよ!すみっちは、僕にとって大切な妹だからね」
「本当にありがとう。実は、私まったく泳げないの」
「それならどうしてレオンちゃんまで誘って一緒に海に行こうって言ったの? 」
「お兄ちゃんに私のビキニ姿をみてほしかったからなの。だからお兄ちゃんがいなかったら私、死んでしまってたよ」
「すみっち、大袈裟だよ。
そんなことないよ」
すると振り返ってレオンちゃんが泳いでるのをみながら、すみっちは泣きながら言った。
「ううん、レオンちゃんは楽しく遠くに泳いでいってるからお兄ちゃんがいなかったら完全に死んじゃってるよ。私のお母さんをお兄ちゃんが川で助けてくれた時と場所は違っても同じなんだよ! 」
「すみっち、瞳さんからあの恥ずかしい話聞いたの? 」
「うん、お母さんが嬉しそうに話してくれたのを聞いたとき私、お兄ちゃんカッコいいってすごく思ったもん。 でも私まで助けてくれてこれで親子で助けてもらったことにあるよ!やっぱりお兄ちゃんがいないと私たちダメだよ」
「すみっち… 」
そしてすみっちは、僕に抱きついてきながら可愛くこう言ってきた。
「お兄ちゃん、泳ぎ方教えてくれないかな? 」
「うん、良いよ」
するとレオンちゃんが戻ってきて僕にこの状態について質問をしてきた。
「優くん、どうしてすみっちに抱きつかれてるの? 」
「さっきレオンちゃんが泳ぎに行ってた時にすみっちが溺れそうになって怖くなったからなんだよ」
僕がそう言うとレオンちゃんは、すごく驚いた表情をしながら言った。
「えっ、そうだったの!ぜんぜん気づかなかったよ」