第六十八話 神速手続で学校に行く
いくらなんでも早すぎる、と俺が言おうとする間にも受付嬢さんはテキパキと作業を続けていて、みるみるうちに手続きを進めていった。そうして機を逸した俺がいつ話しかけようか迷っているうちに、受付嬢さんの手が止まった。
「準備完了です!スクールまでご案内しますね!」
止められなかった。特に依頼をしなけれなばならない理由はないから困りこそしないものの、驚きを隠せない。こんな早く済ませられるとは。
「お、お願いします……」
とにもかくにもついていくしかない。これで強くなれるなら安いもんだ。
ギルドの裏を十数分歩いたその先に、大学のような建物が聳えていた。いかにもスクールという感じ。ここまでしっかりしているなら、受験とか面接が必要なんじゃないかという気がしてくる。もしそうなら通過できる気がしない。俺にこの世界についての知識はないに等しいわけだし。
大学にはあまりいい思い出がないから、どうしても警戒を解けない。びくびくしながら門をくぐる。受付嬢さんは意に介していないのがありがたい。今の俺は傍から見れば挙動不審極まりないだろう。幸い近くを歩いている人はおらず、俺と受付嬢さんは誰とも会わずに受付まで行くことができた。
「おやペトロネさん。何か用ですか?」
「スクールの入学手続きをしに来たんです。こちらの冒険者さんの!」
スクールの受付嬢さんは、ペトロネさんと違ってクールな感じの女性だ。嫌な記憶が蘇り、冷たい視線で睨まれているような気がする。
「どのコースを受講されるんですか?見た感じ、それなりに実力がありそうですが」
「冒険者さん、どうします?」
「うぇっ?」
軽いトラウマに沈んでいるところに急に話を振られ、変な声を出してしまう。自分でも顔が赤くなっていくのがわかる。
「アハハ、考えごとしてたんですか?もし嫌じゃなければ、一通り全部受けるのもいいと思いますよ!」
すかさずフォローしてくれる受付嬢さん。もはや天使にさえ見える。
「全部、ですか?」
当然、スクールの受付嬢さんは眉をしかめる。
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