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第六十六話 無力化祝福は想像も超す

 防ぐ間もなく、俺は体当たりをモロに食らう。が、揺らぎもしない。ぶつかられた感触こそあるものの、ダメージは一切ない。それはサラマンダーの体表を覆う炎も例外ではなく、一切熱くない。もしかして、あらゆる攻撃を無力化できるのだろうか。さすがは祝福だけあるな。


 小剣を引き抜き、すぐ横にまた突き刺す。サラマンダーはもがくが、押さえつけようと思えば俺の力でも動きを止められる。力がなくなるって、こういうことなのか。意外と応用が利く祝福じゃないか。そうやって何度も小剣を突き刺しているうちに、サラマンダーは動かなくなった。こんな倒し方でいいのか……。



 サラマンダーの鱗をある程度はぎ取った俺は、さっさとギルドに帰還していた。なんだかんだでやっぱり移動時間が一番長い。まあ移動よりも長い戦闘なんて御免被るが。


「おかえりなさい、冒険者さん!倒せました?」


 俺は無言で鱗を出す。勿論ドヤ顔で。


「わぁ……!すごいじゃないですか!やっぱり頼んで正解でした!」


 受付嬢さんは俺の活躍をまるで自分のことのように喜んでいる。地味な戦い方をしたのに、と思うけど、受付嬢さんの様子を見ていると俺まで嬉しくなってくる。


「それで、武器の使い勝手はどうでした?」


「うーん、イマイチよくわからなかったですね……まあ悪くはありませんでしたよ」


 なにせ、俺は真っ向から戦うんじゃなくて、無力化したところを捕まえてめった刺しにしたのだ。そんな状態で使い勝手も何もないだろう。強いて言うなら、引き抜く時の引っかかりが少なくて助かった。


「そうですか……。まあ、他の武器も順番に試していきましょう!何事も挑戦ですよ!」


 俺は苦笑で返事する。どの武器でも戦い方は変わらないから、どうせ同じなんだけどな。そんなことを考えながら、俺は日々増えている報酬を受け取った。きちんと小剣を返しつつ。


 正直、ちゃんとした武器を使いたくないわけではない。なんなら俺にしか扱えない専用武器なんかもあったらいいなと思う。しかし魔力も筋力も足りていないから、まともな武器は使えない。ならばどうするか。答えは単純、鍛えるだけだ。現状そのままでも依頼をこなすにあたって問題はないが、せっかくなら色々やってみたい。意外と才能が見つかるかもしれないし。

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