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第六十四話 貸出武器を受付嬢と選ぶ

「現状問題がないならまあいいですが……困ったことがあったらすぐに言ってくださいね?」


「わ、わかりました……」


「それで、依頼についてなんですが。一度、こちらで支給している武器を使ってやってみるのはどうでしょう?失敗しても大丈夫なので」


「あ、やっぱり変更なんてダメですよね」


 わかりきっていたことだ。俺は依頼を受ける代わりとして、様々な恩恵に与っているのだから。

 

「いやいや!今から調整できないことはありませんが、冒険者さんには普通の武器にも慣れていただきたいんです。使える武器の幅が広いほど、戦闘における選択肢も増えますし」


 なるほど俺を思ってくれての配慮だったらしい。しかし俺にはどんな武器であろうと、使いこなせるほどの技量も武力も知力もない。


「不安かもしれませんけど、まずは試してみてほしいんです。もしかしたら合う武器が見つかるかもしれませんし。それに、何より――」


「何より?」


「あの人の魔道具頼りなのは危険過ぎます!メインで使うのはそれでもいいですが、絶対に他に扱える武器を用意しておいたほうがいいです」


「最初にギルドから支給された短剣じゃダメなんですか?」


「えっ?あれは武器というより、採集のための道具ですよ?」


 俺は今までまともな武器を使ってこなかったのか。いや、その短剣でさえも使いこなせているか怪しい俺って……。


「わかりました。武器お借りします……」


「でしたらこちらにどうぞ~」


 能力測定の時のように、奥の部屋に通される。壁一面にズラリと武器が並んでいる。そうだ、俺は武器の適正を調べるまでもなく全部ダメだったじゃないか。


「なんでもいいのでお好きな武器、選んでください!」


「オススメってあります?俺に向いてそうな――」


「この際適正は考えないで、直感で選んでみてください」


 まあ、そうなるか。そもそも俺がここまで依頼を達成できているのは祝福と魔道具のおかげで、俺自身の実力は何一つ関係ないのだ。無力化なんていうチートにしては微妙な能力だが、これがなければ今頃野垂れ死んでいただろう。


 とりあえず武器を選ぶにあたって、除外するべきものがある。それは、重そうなものと魔法を必要としそうなものだ。前者は筋力が足りず、後者は魔力が足りない。つまり、見栄えの良さそうな大剣や長杖は使うことができない。

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