表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/73

第五十三話 木端魔物の群生は落す

 カウンターに受付嬢さんの姿が見えなかったので、近くにいた他の受付嬢に「ペトロネさんいますか?」と聞いてみる。名前を知った今だからできる呼び出しだ。


「おはようございます、冒険者さん!」


 後ろから声がかかる。タイミング悪く席を外れていただけらしいな。元気そうな受付嬢さんを見ると、こっちまで元気が湧いてくる。


「今日は久しぶりの依頼です!で、ですよ。前回ゴブリン討伐の依頼に際して、冒険者さんは結局ゴブリンと戦わなかったわけじゃないですか。私としては色んな相手との戦闘で経験を積んで欲しいんですね。なので――」


「またゴブリンの討伐ですか?」


「ではなく!今回はオークも一緒に倒してきてください!よろしくお願いしますね!」


 可愛くウインクする受付嬢さん。正直相手に逃げられさえしなければ、俺の負けはない。早速詳細を聞いて、俺はいつもの森に出発する。



 徒歩十数分の森の、そのさらに奥。罠に細心の注意を払いつつ探索している。注視していれば意外と気づけるもので、落とし穴のあるところは妙に拓けていたりする。前回みたいに罠の先で惨状を見つけるなんてのは御免だ。それにしても、オークはおろかゴブリンとも出会わない。前とは違って気配が全くないなんてことはないが、探しても探しても見つからない。どうすればゴブリンを見つけられるのか。


 最初にゴブリンの群れと出会った時のことを思い出してみる。あの時は俺が罠にかかって、抜けられずにもがいていたところに集まってきたのだった。それから遅れてオークがやってきて、絶体絶命の状況に陥ったのだ。あのとき、何故ゴブリンどもは集まって来たんだろう?罠にかかった獲物を処理するだけなら、少数のゴブリンと、オークだけがいればいい。それでも集まってきたことには何か理由があるはずだ。例えば、間抜けな人間がシンプルな罠にかかっていて愉快だったとか。罠にかかる前にゴブリンに小突かれたのもある。すぐに斬ったけど、あれはナメられているからこそやられたんだと思う。


 そうなると、答えは簡単だ。一旦武器をしまう。手近な落とし穴を探して、わざとひっかかる。醜くもがいて焦ったような声を出す。どう見ても罠にかかった馬鹿な冒険者だ。


「ギイ?」


 木の陰から、一体のゴブリンがこちらを覗き見ている。目が合ったから睨みつけて、もっともがいてみせる。当然穴からは抜け出せず、俺はゴブリンを睨みつけながら悔しそうな声を出している。


「ギャハッ!」


 覗き見していたゴブリンが嗤って、どこかへと駆けていく。屈辱だが計算通りだ。

よろしければブクマ・評価お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ