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第五十二話 白昼夢に埋没し伏す

 帰り道を係官に案内してもらいながらどうに帰宅した俺は、帰るなり倒れるようにベッドに転がった。こんなに気疲れしたのは久しぶりだ。疲れ具合だけで言ったらこの前の怪物と戦った時に比肩する。そんなに体力は消耗していないが。何はともあれ、有罪判決が下らなくて良かった。それだけでも収穫だ。これでしばらくこの家を追い出されることもなくなったわけだし。


 時刻は大体お昼過ぎ。何かをするには十分な時間があるが……気力が足りない。ここはひとつ、昼寝でもするか。考えるが早いか、俺は夢の中だった。



 ノックの音と共に目覚める。そうだ、まだ風呂にも入ってないし、夕飯も食べてない。お腹ペコペコだ。


「あの、冒険者さん?」


「はいはいはい!」


 受付嬢さんの声音が心配そうなので、急いで出る。


「良かった、起きたんですね……心労をおかけして申し訳ないです……」


 扉を開けると受付嬢さんが目を伏せていた。受付嬢さんは今回一番俺の疑いを晴らすのに役立った人で、謝る必要なんて微塵もないのに。


「ハハ、受付嬢さんが気にすることはないグルルルじゃないですか。ご飯いただきますねグルルル」


 腹の虫も本格的に起き出してきたようで、しっかりうるさく鳴っている。


「いえ、昨日夜来たらもう眠ってましたから……疲れてましたよね」


 おずおずと渡されるバスケットの中身は、いつもよりちょっと多めで。言われて外を見た俺は、朝陽が降り注いでいることに気づいた。少し昼寝しようと思ったら、がっつり朝まで眠ってしまったというわけだ。まあどちらにしろ受付嬢さんが悪く思う道理なんてない。


「気にしないでくださいよ、受付嬢さんのおかげで俺が助かったんですから」


「そう言われると助かります……それでは、ギルドでお待ちしてますね!」


 いつもの笑顔に戻る受付嬢さんを見送って、俺は夕食兼朝食をとりはじめる。味わう余裕さえもなく、俺はパンを貪り食う。全部綺麗に平らげて、両手を合わせる。こんなに腹いっぱい食べられるのも、ギルドのサービスのおかげ、ひいては受付嬢さんのおかげだ。今日も依頼を頑張ろう。軽い足取りで、俺はギルドへ入った。

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