第四十八話 異世界裁判も公平は期す
わかっていたことだが、フレイルがついてきていた依頼は俺を調べるための試験のようなものだったようだ。しかも、何もかも俺を怪しいという前提での証言。もうちょっと公平な視点で調査してほしいものだ。
「ふむ、なるほど。根の討伐にはアルラウネがつきものだが、それはどうしていた?」
こちらを睨みながら、裁判長(?)がフレイルに問う。俺は無力化させていたとはいえ思いっきりアルラウネに襲われており、魔物と繋がっているならそんなことにはならないはずだ。そこをあいつがどう話すのか。
「もちろん、襲われていました。が――こちらも負傷している様子はなく。恐らく、私の目を欺くために形だけの攻撃をしていたのかと」
ふざけんな!と言いそうになるが、どうにかこらえる。この後に俺が反論できる場が残されている可能性がある以上、ここで歯向かうのは心証を悪くするだけだ。まあ、裁判長(?)は今のところ圧倒的に俺を怪しんでいる様子だが。
「わかった。これについて被告人、何か言いたいことはあるかね?」
思っていたよりも早く反撃のチャンスが来た。ちゃんと取り合ってもらえるかはわからないが、やってみないことにはどうしようもない。俺が無実ということを知らしめなければ。
「まず、俺の使っている魔法について。これは対象を無力化する魔法です」
一番争点になりそうなのがこれだ。嘘をついていると言われればそれまで。しかし、一番最初に言っておくことで印象付けておきたいのだ。俺の持つ能力はたった一つで、それがこの魔法であることを。
「故に、アルラウネの根が傷ついていないのも当然です。一切のダメージなく、ただ単に無力化したんですから」
「私はよく似た魔法を知っている。<バインド>というものだ。それに偽装して、魔物を支援しようとしたんだろう?だが残念だったな、あれは身動きまでも封じるのだ」
フレイルが横やりを入れてくる。今は俺が喋る番なんだから黙っていてほしい。これから証言を破っていくんだから。
「俺もそのことは知っています。でも、俺がこの魔法を知ったのは、<バインド>を知るより前です!それにですよ?仮に俺が魔物に支援魔法をかけて逃がそうとしていたとして、同行しているフレイルさんに助けを求めたことの説明がつかないんですよ」
ずっと気になっていたことを突っ込む。自分のことは棚にあげて、さも俺が悪事を働いていた一部始終を観察していたような言い草だったが。これにはさすがのフレイルも揺らがざるをえまい。
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