第四十二話 異世界雑貨屋でウインドウショッピング
ここらへんは商店街のように店が集まっている区域のようで、色々買えるようだ。俺がいの一番に買うべきは装備だが、今の手持ちで買える装備は多分貧弱だ。それでもギルドから支給されている短剣よりは強いかもしれないが、今のところそれほど困ってはいない。確かに火力不足で標的に逃げられてしまうことは多々あるが、武器が強くても筋力も魔力もない俺には使いこなせる気がしない。防具に関しては完全に不要だ。相手を無力化すれば済む話だし。鎧なんて着た日には、歩いているだけでバテるだろう。
そう考えてみると、特に買いたいものもないな。回復薬なんかも防具と同じでいらないし。まあとりあえず見るだけ見ていくか……と完全に冷やかしの思考で近くの雑貨屋に入っていく。地図によると、冒険者向けの商品を多く取り扱っているらしいが。
中はまあまあ壮観で、見たことのない物品が大量に並んでいる。そのどれもがファンタジーな感じで、過去に置いてきたはずの中二心がくすぐられる。やはりこの辺りの商品は需要も高いのだろう、ポーションらしき液体が筒状の瓶に入れられて大量に陳列されている。コンビニの飲み物コーナーと同じような仕組みになっているようだ。物理法則が同じなら、どの世界でも商品棚の工夫は似通ってくるんだな……。
「ヨウ!おにーさん何かお探し?」
「うおっ!?」
急に話しかけられたんでびっくりしてしまった。声のした方を見ると小学校高学年くらいの身長の女性が佇んでおり、こちらを見つめている。前掛けのエプロンに描かれた紋章は店の看板のものと同じだから、多分店員なのだろうけども。
「見ない顔だねえ、新人さん?いい商品取り揃えてるよ~」
言いながら、ポーションを数本手に取る。どれも色が異なるが、健康そうな色合いのものはない。
「例えばこれは治癒のポーション。飲むだけで回復魔法を使ったのと同じ効果を得られるよ!まあ、安価なぶん効果も弱いけど」
「そしてこれは魔力のポーション!飲むと魔力を増強されるよ!時間が経ったら戻っちゃうけどね」
「お次にこれは――」
「あ、あの~……」
この勢いでいくと商品紹介が止まらなさそうなので、ちょっと遮る。どうせ買わない商品ばかりだし。それに、
「そもそも、俺あんまり持ち合わせがなくて……」
言った瞬間に、店員さんの顔がキラリと光る。
「ご心配なく。当店は安価で安心、買っときゃ安全がモットーなんで!おにーさんがいくら貧乏人だとしても、ポーションを何本か買うくらいはできるはずだよ」
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