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第四十一話 異世界料理の葉野菜は美味

 サラマンダーは、俺の記憶が正しければトカゲの魔物だったはずだ。火を吹いたり纏ったり。とにかく炎属性のイメージがある。そんなサラマンダーが一体どんな味になるのか想像もつかない。唐揚げだったらハズレはないだろうという甘い考えで選んだが、果たしてどうなるか。



 料理が来るまでにそう時間はかからなかった。不安な胸中とは裏腹に、唐揚げもサラダも美味しそうだ。メニュー名さえ知らなければ喜んで食べていただろう。だがここは異世界で、あれは魔物を使った料理だ。知っている以上、否が応でも警戒してしまう。とはいえ腹はとっくに空いていることだし、ひとまず一口食べてみる。


「うま……い…………?」


 判断に困る味だ。見た目が唐揚げだから鶏肉のイメージのまま咀嚼しているが、何やら違う食感だ。炎属性だけあって辛みがあるが、なんだか雑多な味をしている。不味いわけではないが、取り立てて美味しいわけでもない。だがハズレでなかったのは収穫だ。食感こそ慣れないものの、嫌な感じがするわけでもないし、これを選んでおけば酷い目には遭わない、という点でかなり価値がある。唐揚げとしては結構良く、これがきちんとした鶏肉ならどれほど良かっただろうと思わせるクオリティだ。


 唐揚げがこんなに良くできているのだから、サラダも美味しいに違いない。特にサラダに使われているのは俺も実際に戦ったことのあるアルラウネで、なんなら葉の部分を依頼で集めたこともあるから、比較的親しみやすい料理ではないだろうか。見た目も完全に普通のサラダだし。薄い橙のドレッシングがかかっていて、それも見栄えに一役買っている。とりあえず一口。


「美味い…………」


 これは間違いなく美味しい。美味しいし、元の世界で食べてきたサラダとほとんど変わりない。使われている食材こそ多少の違いはあるが、俺の慣れ親しんだサラダと言っても過言ではない。リスクヘッジのために注文したつもりだったが、こちらの方が当たりだったかもしれない。安価でいつでも食べに来れるし、ホームシック――というかワールドシックになったらここに食べにこよう。食材はアルラウネだからそうそう尽きることはないだろうし。



 気がつけば皿の上は綺麗に片付いていて、腹が満たされていた。なんだかんだ言って、結局空腹の時に食ったら大体のものは美味しいのだ。予算よりも少し安い額で支払いを済ませて、俺は店を出る。さて、散策を始めようか。

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