第二十三話 新米冒険者の日常を往く
今日の夕食もパン。がっつりした味わいがエネルギーを補給している感じがする。あっという間に平らげて、バスケットの中が空っぽになる。
夕食の後は風呂だ。俺は買ったばかりの着替えを抱えて大浴場に向かった。
まだ二度目なのに勝手知ったる大浴場で、今日もゆっくり風呂に浸かる。無駄に歩いた疲れも全部飛んでいくような気がする。そういえば、
流すだけで身体が綺麗になる魔道具?があるのに、どうして大浴場なんてものができたのだろうか。他の転生者が作ったとか?それにしては
この世界に馴染んでいる気がする。
たっぷりふやけてから上がる。毎日こんないい風呂に入れるなんてな。こんなに疲れが取れるなんて、もしかして何かの魔法か?
もしくは身体に刻まれた遺伝子か。
腹を満たして身体を綺麗にしたとなれば、やることは一つ。寝るだけだ。ベッドに飛び込んで、大きな欠伸をして。おやすみ。
そして翌朝。再びノックの音と共に起きる。
「朝食をお持ちしましたよ~!」
昨日のバスケットを渡しながら、朝食を受け取る。ついでに今日の依頼も。
「今日は~、森の魔物を討伐していただきます~!」
受付嬢はちょっと興奮した様子で続ける。
「本当ならもうちょっと採集の依頼をしてから討伐に行ってもらうんですけど、アルラウネの討伐をなんなくこなしていらっしゃったので~!」
「測定では微妙でしたけど、ぐんぐん成長していってるってことですよ~!」
要するに、新米にしてはそれなりにやっている、ということらしい。だから討伐に行っても大丈夫だと。
まあ、俺には無力化の祝福(もしくは魔法?)があるから、大して苦戦はしないだろう。相手の数がいなければ。
「今日の標的はゴブリンです!彼らは罠を仕掛けたりするので注意してくださいね!」
「知ってます。この前引っかかったんで」
「あっ…………」
受付嬢がこちらを見る目に憐憫が加わる。
「ともかく、気をつけてください!場合によっては命取りになりますからね!」
「はい!」
威勢よく返事する。同じ轍は踏まない。もしあの罠にかかったとしても、抜け出し方はもうわかっているし大丈夫だ。
受付嬢は頷くと軽い足取りで出て行った。俺も飯を食ったらさっさと森に出かけよう。一度探索した場所だし、そう困ることもあるまい。
とりあえず、一度ギルドに寄ってから。
朝食の後のギルドはまあまあ混んでいる。人の隙間を縫ってカウンターまで行き、きちんと依頼を受注する。
目的はゴブリンの討伐。ゴブリンの被っている衣服を剥いでこいとのこと。倒すのはたった四匹でいいらしい。
受付嬢曰く、「そもそもあの森で出会うこと自体が珍しいから」。新人冒険者でも行けるような、比較的安全な場所になっているそうだ。
何はともあれ、と俺は森に向かった。
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