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第二十二話 白昼夢も休日は無く

 時刻は恐らくまだ正午を少々過ぎたくらい。こうなってくると時計も欲しくなってくる。まあそこら辺の雑貨を充実させるのは自分の金で家を借りることが

できるようになってからだな。どうせ普段は毎朝依頼をこなすために家を出るし、帰ったら飯を食って寝るだけだ。大まかな時間さえわかれば問題ない。


 それにしても、これからどうしようか。思ったよりもまだ時間があるし、せっかくの休日なら楽しみたい。休日に何をするかを思い出せないというのもある。

仕事の他に寝る以外のことを一切してこなかったからな。どこかに遊びに行くか?いや、どこに何があるかもわからないしな……。


 そうだ、と立ち上がる。わからないなら知ればいい。この街をあてもなく散歩してみようじゃないか。もしかしたら思わぬ出会いがあるかもしれない。

便利な施設があるなら知っておきたいし。そうと決まれば早速出かけよう。俺は全財産の入ったポーチを片手に家を出た。


 それから数分後、俺は家の前に戻ってきていた。何も外を歩くのが嫌になったわけではない。なんとなく歩いていたら、目の前に家があったのだ。

見間違いかと思って反対側に回ってみると、そこにはギルドがあった。間違いない、ここは俺の家だ。だけど何故?


 もう一度、出発してみる。数分後、再び家の前にいる。たまたま選んだ道が来たところと繋がっているのかもしれない。今度は意識して

違うルートを歩いてよう。そう考えていたのが十数分前。今度はギルドにたどり着いた。一体どうなっているんだ?

何度行ったり来たりしても最終的に戻ってくる。疲れ果てた俺は、一旦家で休むことにした。


 ベッドに寝転がり、天井を見つめる。随分動き回ったから、身体が疲れているのを感じる。グロウスにもっと色んなことを聞いておけばよかったかもしれない。

魔法のこと以外にも、聞きたいことはあったのに…………。魔物のこととか、武器屋の場所とか。ぼーっと考えているうちに、眠くなってくる。

まだ昼間なのに眠ってしまってはもったいない。だが、今寝てしまえたらどれほど気持ちいいことか……。俺はその誘惑に抗えず、というか、抗うかどうか考える間もなく

意識を手放した。




「夕食お持ちしましたよ~!」


 ドアをノックする音が聞こえる。俺が慌てて起き上がると、窓の外は既に暗くなっていた。


「嘘だろ…………?」


 俺はぶつぶつ呟きながら扉を開ける。いつも通り、受付嬢がバスケットを持って立っている。


「ふふ、もしかして寝てました?寝癖ついてますよ」


 言われて、俺は頭を触る。髪がかなり荒れている。恥ずかしい。


「それでは、また明日!」


 受付嬢は顔を赤らめる俺に微笑んで、颯爽と去っていった。…………夕食をとるか。

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