男も女も性別も年齢も関係無く、真っ裸になっていた。
酷くないか!?
やり過ぎだろ!!
周りには全裸を隠せるような物は何も無くて──、葉っぱすらも草すらも無くて──、敵軍は突然の出来事に対応が出来ないのか思考が停止していたよ……。
そりゃ、そうだろう。
一切何の前触れもなく突然、全身が一糸もまとわない姿になってしまったら、思考が停止してしまったっておかしくはない。
大声で叫んで発狂したって、誰にも彼等,彼女等を止められやしないし、責められもしない。
全裸になっただけでも十二分に酷い仕打ちなのに、5ヵ国の敵軍全員の頭部からは髪の毛までもが消えていた…。
性別も年齢も関係無く、等しく平等に頭部がツルツルのツルッパゲになっているんだ!!
だから、やり過ぎぃぃぃぃいいいいいいッッッ!!!!
序でに魔法の類いを使えないようにしているらしくて、敵軍は自身の足で走って≪ オルデシア小国 ≫から撤退しないといけない仕様にしているらしい。
裸体を晒しながら、尻を振りながら逃げる事になるわけだ。
辛辣っ過ぎるぅ!!
逃げてる最中に弓矢を射られたりしたら、確実に矢が刺さって死ぬよっ!!
精霊魔法で広範囲攻撃なんてされたら、丸裸のまま攻め込んだ国の領土で死ぬ事に……。
恥ずかし過ぎるぅぅぅううううう!!!!
オレのセロはとんでもない事をやらかしてしまったわけだ。
これは色んな意味で地獄絵図だ…。
マオ
「 ………………セロさん…。
何とかならないのか?? 」
セロフィート
「 〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんさせてしまったら戻もどりません。
彼かれ等ら,彼かの女じょ等らは死しぬ迄までツルツルの丸まる坊ぼう主すです♪ 」
マオ
「 …………『 です♪ 』じゃ、ないだろぉ〜〜〜〜!!
どうなるんだよ、これからぁ〜〜〜!! 」
セロフィート
「 それは──、オルデシア国こく民みん次し第だいです。
無む力りょくで無む抵てい抗こうとなった全ぜん裸らの敵てき軍ぐんの命めい運うんは、オルデシア国こく民みんの手てに委ゆだねられました。
助たすける為ために善ぜん意いの手てを差さし伸のべるのか──、無む惨ざんにも容よう赦しゃなく皆みな殺ごろしにするのか──。
さて、オルデシア国こく民みんは、どのような選せん択たくをするのでしょうね。
面おも白しろいでしょう? 」
マオ
「 だから──、全ぜんっ然ぜん面おも白しろくないってぇのっ!! 」
セロフィート
「 マオなら敵てき軍ぐんをどうします? 」
マオ
「 …………セロはどうするつもりだよ? 」
セロフィート
「 ワタシです?
実じっモル験けんモ台だいットに使つかいます。
人にん数ずうも多おおいですし、〈 合ごう成せいキメ獣じゅうイラ 〉の餌エサにも良よいですね 」
マオ
「 そうかよ…。
…………セロはブレないなぁ… 」
ツルッパゲの全ぜん裸らにされてしまった敵てき軍ぐんは一いっ体たいどうなってしまうんだろうか……。
願ねがわくば──、大たい義ぎ名めい分ぶんで大たい量りょう虐ぎゃく殺さつなんてされないで生いき残のこってほしいと思おもう。
セロフィート
「 ──マオ、次つぎの国くにへ行いきましょう。
≪ イラムカリト公こう国こく ≫にしましょう。
朝あさ食げモニングは≪ イラムカリト公こう国こく ≫のレストランでいただきましょう 」
マオ
「 えっ?!
地ち上じょうのあ・れ・はどうするんだよ! 」
セロフィート
「 知しった事ことですか。
オルデシア国こく民みん次し第だいだと言いいました 」
ブレずに安あん定ていした無む責せき任にん発はつ言げんをしてくれたセロは、古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせた。
テントは何い時つの間まにか消きえていて、セロとオレの足あし下もとには魔ま法ほうマジカル陣じんサークルが光ひかっている。
あのまま放ほうっといて良いいんだろうか?
良いいわけがないんだけど……。
マオ
「 セロ…… 」
セロフィート
「 風かぜの噂うわさで知しれますよ 」
セロは優やさしく微ほほ笑えむとオレの頭あたまを優やさしく撫なでながら、転てん移い魔ま法ほうを発はつ動どうさせた。
オレを侮ぶ辱じょくした国こく王おうと側そっ近きん達たちはどうなったんだよ…。
仕し返かえしする相あい手てが違ちがうんじゃないのかよ!!
オルデシア小国
戦争勃発
──── Fin ────
◎ 最後まで読んでくださり、有り難う御座います。
笑っていただけたでしょうか?
不愉快に思われたでしょうか?
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