戦闘力の低い非力な村人達に出来る事なんて限られているってのに、家族や仲間を守ろうと村人は一致団結している。
無駄な足掻きだし、無駄な抵抗だと思う。
無慈悲に蹂躙されて、無駄に死人がバタバタ出るに決まってる。
村なんて守らないで、命を優先させて逃げたら良いのに……。
白旗を上げて降参する選択肢は無いみたいだ。
5ヵ所に分かれている敵軍が一斉に装備している武器を手に取って持つと一斉に掲げ始めた。
5ヵ所の敵軍が一斉に走り出して、目の前の村々を目指していた。
遂に──、とうとう──、始まってしまったんだ。
近隣諸国の敵軍によるオルデシア国民への蹂躙祭りが────。
…………………………オレは一体何を見せられているんだろうか……。
これがセロが言っていた “ 面白い事 ” なのだろうか??
いや……きっと…そうなんだろう。
だって…こんな酷くて惨たらしい事が出来る相手は、地球上でセロしか居ないんだから!!
オレが見せられている地上の光景はまさに地獄絵図だ。
酒池肉林的な地獄絵図とかじゃなくて、違う意味での地獄絵図だよ!
思わず両目を塞ぎたくなるような光景に、オレは心の底からセロに叫んで文句を言いたいぐらいだ!!
だけどもオレは…理性を掻き集めて、理性をフル回転させて、オレの右隣の椅子に座っているセロに話し掛けた。
マオ
「 ──セ…セロっ!!
これは一体どうなってるんだよ??
何で…こんな事になってるんだよ…… 」
オレは全身の震えが止まらない。
声が震えているのは怒りからなのか──、ショックからなのか──、オレ自身にも分からない。
セロを怒っても良いのだろうか??
セロフィート
「 面白い光景でしょう?
1度試してみたかった事です。
ふふふ(////)
この後、彼等,彼女等がどうなるのか見物でしょう? 」
マオ
「 見物って……。
た…確かに……別の意味では見物になるだろうけどさ……。
これを実際に実行するなんて──、セロはイカれてるよ!!
変態だよ!! 」
セロフィート
「 誰が変態ですか。
ワタシは変態でもなければイカれてもいません。
至ってまともです 」
マオ
「 何処がだよ!!
まともな奴は、セロみたいな事を考えたりしないんだよ!!
あれは異常な光景なんだよっ!! 」
セロフィート
「 マオに笑ってほしかったのに… 」
マオ
「 …………セロの気持ちは嬉しいけど…、あんなの見せられて笑えるかよぉ!! 」
セロフィート
「 そうです?
折角〈 テフの源みなもと 〉へ変へん換かんさせたのに… 」
マオ
「 やり過すぎなんだよ…… 」
オレは深ふかくてと大おおきな溜ため息いきを吐はいた。
地ち上じょうで起おきている地じ獄ごく絵え図ず──もとい事じ件けんは、一寸ちょっとどころではないパニックを引ひき起おこしていた。
地ち上じょうでは自し然ぜんの恵めぐみが豊ゆたかな≪ オルデシア小しょう国こく ≫を占せん領りょうする為ために、同どう盟めいを結むすんだ近きん隣りん諸しょ国こくの5ヵ国こくの軍ぐん隊たいが≪ オルデシア小しょう国こく ≫の領りょう土どへ進しん軍ぐんして、村むら々むらへ一いっ方ぽう的てきな襲しゅう撃げきを始はじめた。
武ぶ器きを掲かかげて走はしって向むかって来くる敵てき軍ぐんを前まえにしても、村むら人びと達たちは怯ひるむどころか、村むらにバリケードを作つくって、敵てき軍ぐんを迎むかえ撃うとうとしていた。
バリケードが破やぶられ、村むら人びと達たちへ無む慈じ悲ひにも敵てき軍ぐんの武ぶ器きが振ふり下おろされて、斬きり殺ころされようとした瞬しゅん間かん、こ・と・が起おきたんだ。
敵てき軍ぐんの武ぶ器き,防ぼう具ぐ,身みに着つけている物もの──、全すべてが〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉に変へん換かんされ始はじめた。
敵てき軍ぐんは「 あっ! 」と言いう間まもなく、あられもない姿すがたへ変かわった。
そう、鯔とどのつまり──、生うまれた時ときの姿すがた。
全ぜん裸ら,丸まる裸はだか,すっぽんぽん──だ。