契約2
人は恥ずかしくなったら言いたいことが言えなくなったり言いよどんだりして伝えたいことがうまく相手に伝わらない事が多くある、しかも恥ずかしい理由の度合いでその結果はさらにひどくなることがある。
白雪は正に今その状況に陥りそうになっていた。メルとの契約を約束しいざ契約の手順を一つ一つ順にこなしていこうとしていた矢先白雪は早々につまずく羽目になっている、その理由は白雪と契約するための最も大事なプロセスであるメルの適性検査である。これをクリアしなければメルは白雪と契約する事はできない。
しかし問題はその検査内容にあった、その内容とは白雪とメルとで粘膜接触をしなければならないという点であった、粘膜接触つまりはキスである。それもメルの体の隅々まで検査しなければならないため濃厚な接触が推奨されておりその点も白雪を動揺させる結果となっている。つまるところ大人のキスを白雪とメルはしなければならなかったのだった。
だが白雪はそのことを恥ずかしく思いうまく言葉にできなかった結果その内容をメルが未だに理解できないでいる。
「白雪さん?どうしたのなにかまずいことでもあったの?」
「い、いえ!違うんです!そのーなんというか~少し言いにくいことで」
「大丈夫だから、私は何を言われても貴方を信じるわ白雪さん。だからやり方を教えて?ね?」
メルの手が白雪の頭を優しく撫でると白雪の中に安心感が広がり先程までの恥ずかしさは和らいでいきうまく動かなかった口はその内容をすんなりと説明を始めた。
「内容なんですけど・・実は私との粘膜接触が必要なんです!しかも接触が多くないといけないみたいで」
ここでメルからの安心感という麻薬が切れまた先程のように顔を赤くし説明が止まってしまったが、今度はメルに詳細が届いたようでメル自身も少し顔が赤くなっていたが白雪はそんな事に気が回るほどの余裕はなくその顔を見逃してしまった。
もし今のメルの顔を男が見れば確実に劣情が湧きたち交際を持ちかけてしまうだろう、それほどまでに今の彼女の顔は魅力にあふれていた。
「あの!私初めてなので、その。優しくしてくださいね?」
「!?!?!?!?」
メルの中で何かがプツンッ!という音を立てて切れた。それは理性という名の枷であった。白雪が見せた恥じらいながらの上目遣いの懇願にはメルの理性を簡単に吹き飛ばすほどの威力が秘められており、それをもろにくらったメルの理性はどこかへ吹き飛んでいった。
恥じらう白雪の頬に手を添えると優しく下を向いている白雪の顔を上に向けると、白雪とメルは見つめ合う形となり白雪はより一層顔をトマトのように赤くしてしまい条件反射で下を向きそうになるもメルによって固定されているためそれも叶わず白雪は最後の手段である視界を閉ざすという行動に移った。
”ふふふ、かわいいわねほんっとに!何かしらこの生き物は?私を殺す気なのかしら?そんなに可愛い反応が来たらやめられなくなっちゃうじゃない!”
白雪たとった行動はメルをさらに煽る結果となってしまい、メルは更に過激なことをしそうな雰囲気を醸し出していた。
そしてとうとうメルは白雪にゆっくりと顔を近づけ始めた、次第に縮まる二人の距離が遂になくなると白雪とメルの口がやっと接触した。
「んっ!」
「ふふふ!」
一方は恥ずかしそうな声を出しもう一方は楽しそうな声を出している、そこに。
《契約者との接触を確認これより確認を始めます》
といった内容がメルの頭に直接流されるとメルは目に見えて不機嫌な顔をしたが直ぐに白雪の唇を味わうことでその機嫌を直していった。
一般的にはこの行為をキスというのだろう、しかしその行為は普通男と女がする行為であり女同士がするとなんとも不可解な光景になっている。
メルとキスをしてあら少し立っていないのに白雪の体は力が入らなくなってしまっており現在白雪はメルに押し倒される形になっている。これでは逃げることもできなくなってしまい白雪はただメルに貪られ続けていた。
「くちゅっ!んー!!!!!めりゅしゃん、しゅこしやしゅま、、んっ!?!?!?」
”ふふ!そろそろ良いかしら?”
「はむ!ちゅっ!れろーー」
最初は優しくついばむような様な優しさがあったが次第にその行為は激しさを帯びていき遂にはメルは白雪が息継ぎの為に開けた口の中に自身の舌を潜り込ませ白雪の舌に絡ませた。
《確認終了まで残り1分》
”チッ!もうそこまで進んでいたのですか、はぁ~仕方ありませんね。でも最後まで楽しませてくださいね!”
ラストスパートをかけるかのようにメルの貪りは勢いを増し白雪はこのままメルに食べられれてしまうのでは?と感じるほどの勢いであった。
《確認が終了しました》
ようやく終わったと安堵する白雪と残念そうにするメルだったがそこにさらなる追い打ちが白雪に襲いかかった。
《これより移植を始めます。完了まで5分》
このメッセージを見るとメルは己の中に力の塊が流れ込んでくる感覚を感じながら、白雪の唇をまたもや貪り始めたのだった。
***
「メルさんのケダモノ!変態!強姦魔!」
すべてが終了した時にはメルの肌はツヤツヤになっているが白雪はオーバ-ヒートしてしまっており体から湯気を出してしまっているがの持った力で溜まった鬱憤を晴らすようにメルに罵声を飛ばしている。
「ごんなさいね、このとおりだから許して、ね?」
欲望に身を委ねたメルには白雪の怒りという罰が与えられ彼女は必死に白雪の許しを求めている最中であった。
そして問題であった移植に関しては問題なく力はメルに移植されていたがその力を確認する前に白雪が怒ってしまったため未だに力を試せずにいるし契約も済ませていなかった。
「う~~!!、ならここをであたら何か美味しいものをご馳走してください」
「わかりました、ここを出たらなにかご馳走しますね」
「はい!」
ようやく機嫌を直した白雪はここを出たあとのことに胸を躍らせ色々と妄想していた。
その間にメルは自身に備わった新しい力である【神力】の確認をしようとした矢先。
《契約が完了しました》
どうやらメルと白雪の契約は無事出来たようでこれで晴れて白雪はこの場所から出られる様になった。
”はは、まさかこの私が神器など持つ日が来るとは思いませんでした。しかもこんな可愛い子が私の神器なんて、なんて素敵なんでしょう!・・・んん!それよりも今は白雪さんからもらったこの力を試してみたい”
すぐに試すつもりであったが事が終わると白雪が怒ってしまったため少し時間がかかってしまいやっとメルに力を試すための時間が到来したのだった。
今の白雪は先程の余韻が残っているらしく腰が抜けているためベットに横たわって疲れをとっていた。
「白雪さん、私はこれから少し貴方に貰った力を試してきますね」
何も言わずに突然消えると白雪は流石に心配すると判断し白雪に報告すると白雪はベットに横たわったまま、手だけで分かったと反応するとそのまま眠ってしまった。
どうやら白雪の方は力を分け与えるために何かしらの疲れを追っていたようであった。
白雪に報告し終えるとメルはこの部屋に来た時とは別の場所にある扉らしき所に近づくとその扉を開け外に出ていった。
扉を出るとそこには大きな広場になっておりその中心にポツンと何かが黙って佇んでいた。膝を折り降伏したかのような格好でその大きな鎧をまとった何かはじっと動かなかった。しかしよく目を凝らしてみるとその鎧の周りには複数人の死体が転がっており周りには戦闘痕がうっすらではあるが残っていた。
”何かしら?あの鎧は?それに恐らくあの鎧に殺された者たちは一体?”
そこに死体があるということはここまで誰かが来たということつまりその者たちはこの奥に何があるのかを知っている可能性があるということになる。
”確実にここはダンジョンなのだろう、なにせ白雪が神器だったのだから。そして彼らは白雪の存在を知ってか知らずかこのダンジョンを探し出しここに何かしらの神器を探しに来たということになる”
”しかも後少しで白雪がいるところまで来ているということは余り時間は無いかもしれないな、しかし流石にこのまま新しい力に慣れずに最悪この者らと戦闘にでもなればかなり不利になる可能性がある”
メルは未だに白雪から貰った力を使った経験がないため戦闘になると不味いことになると考えていたが残念ながらメルが来たという抜け道に関しては戻ることは出来なかった為この先の恐らく敵になるであろう者らが来た道を通らなければいけない。
つまり戦闘は高い可能性で起きるということになる、そこまで考えたメルは床に転がっている死体の仲間が来る前にそこにいる鎧の番人風の騎士との戦闘で新しい力に慣れるしか無いと結論を出した。
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