表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能?勝手に言ってろ!  作者: カシム
4/29

とある少女の過去

私の名前は天美白雪ごくごく普通の高校生です!

 と言えればどんなに良いか、残念ながら私は第三者から見れば普通の人生を全うしたとは言い難い人生でした。


私は私の親の顔を知ることなく育った、如何やら私の親は私の事が邪魔だったらしく私を生むと同時に失踪したようです。それからは施設で暮らすようになりそこで長年生活してきました。


施設の中はアットホームのような空間ではなく誰もが何かしらの問題を抱えているため他人と会話する余裕が無いため中では会話などは無く冷たい空間となっていた。

 そんな生活に私は頑張って耐えていた、一日のほとんどを外で生活していた、もし中に居たらひと月と耐えられないとそう感じたからである。だが中よりは外の方がましではあったが外には外の嫌な部分がある。


その日も私は施設にはまっすぐに帰らず近くにあった公園のブランコに揺られながら何をするでもなくボーっとしていた、するとそこに一組の家族が通りがかった。父と母と子供の三人である、子供は女の子であり恐らくは三人で買い物にでも行った帰りなのだろう娘は父と母の間におり両の手をつないでいる。


とても幸せそうなまさに理想の家庭である。まさに白雪はこれを見るのが嫌なのだ、人間自分が持っていないものを見るとそれが欲しくなりうらやましくなる。しかし白雪がいくら望んでも白雪の親は白雪の両隣には来てくれない。


それ吐かぬことのない遠い夢である。


学校帰りにはその光景はよく見かけるため、それを見るたびに白雪の中にある心が抉られていく感じか彼女の中に残っていく。


だが今住んでいる施設よりもだいぶましなこの空間に白雪は少ないが安心感を持っていた。


「はぁ~家族が欲しい」


それは彼女の口癖にいつの間にかなっていた言葉であった、兄でもいい弟でもいい妹でもいい姉でもいい何でもいいから家族が欲しかった、幸せな空間が欲しかった何気ない会話がしたかった。その会話で何の変哲もない日常が終わり次が来たらまた皆でおはようといって一日を始めたい。


そんな願望を、そんなかなわない願望を頭に浮かべながら過ごすと先ほどまでは夕方だったのにいつの間にか夜になっていた。こんな生活が何年も続いていた、学校でも雰囲気が暗かった為なじむことが出来ずに常に一人だった。


親友は疎か友人の一人すらもいなかった白雪はそんな自信の心細さを埋めることが出来ずにいる。


そして今日もいつものように


「はぁ~家族が欲しい」


ある日私はとある事を考えた時があった、家族が欲しいのなら私がその家族を産めばいいと、だが残念ながらこの案は却下になった。その理由は高校生の私は経済力などほとんどなく今の生活でもギリギリなのにさらに出費が増えれば生活が出来なくなってしまう。


それを考えた時なんとなく親が私を捨てた理由がわかってしまった。


その日夜はなぜか涙が止まらなかった、もし考えなしにそれを実行していればその子にも私と同じ目を合わせていたかもしれないとそう思えてしまったからである。


あれだけ恨んだ私の親と同じことを。


 泣き止んだのは真夜中の時間帯になってころだった、いつもなら既に寝ている時間ではあるがずっと泣いていた為目元がはれ上がっておりうまく眠れなかった。ここまで泣いたのはいつ以来だったかを思い出しながらベットから体を起こし乾いたのどを潤すためにキッチンへと向かい水道水でのどを潤している途中でふとキッチンに差し込む月明りを見上げると空にはキレイな満月が浮かんでおり周りには少ないが星も浮かんでいた、その光景はとても魅力的でありこの星空を見ていると嫌な思い出や考えがいつの間にか頭から消えてしまっていた。


 そうなると何故だか急に外に出てみたくなってしまいその星空を全身で感じたくなっていた、白雪はその欲求に抗うことは無く素直に従い真夜中の星空広がる世界へと繰り出すために扉を開け飛び出していった。


 向かう先はいつも暇つぶしで行く公園、あそこのブランコで揺られながらこの光景をみれば最高なのでは?と考えると最早いてもたってもいられず走り出してしまっていた。白雪の感情の高揚を現すかのようにその足取りは一層早くなりいつの間にか全力で走っていることに気が付くときは目的地に着いた時であった。


「ハァハァハァ・・・やっと・・・ハァハァ・・・・・・着いた」


全力で走ったのだからスタミナなどは完全に切れてしまってはいるがその分早くこの場に来ることが出来たためそんな些末事には気にもしな白雪は乱れた呼吸を整えながらブランコへと向かい腰を下ろしゆっくりと前後に揺らしながら満月をうっとりしながら眺め始めた。


何時間眺めていたのか分からなくなるほどの時間が経過したころ疲れも相まっていい感じの眠気が白雪の体を支配し始めた。


「ふぁ~そろそろ帰ろうかな?」


ブランコを止め立ち上がるとまっすぐに家にに帰る為に歩き出した白雪はとても満足した笑顔で家に帰り始めるのだった。


”こんないい気分久しぶりだなぁ~”


いつもはどっか張り詰めたような雰囲気をしているせいか笑顔などほとんどしていなかった白雪は久しぶりの笑顔に自身がまだそんな顔が出来るのかと驚きながらも嬉しがっていた。


【だが不幸というものはいつ誰に訪れるのか誰の予想できない、幸せの中に居るものにも不幸の中に居るものにも、それは平等に訪れる。回避することなど誰にもできないのだ、だからこそ人こういった場合皆口をそろえてこう言う「それが運命だったんだな」と。】


いい気分の中施設に帰る途中道の先から人が通り掛ってきていることに気が付き恥ずかしくなりいつもの顔に戻し通り過ぎていったがそのすぐ後に何者かがこちらに走ってくる足音がし白雪は何事かと後ろを振り向くとそのには包丁を両手に握り血走った目でこちらに向かって来る今さっき通り過ぎた人がいたのだった!


白雪は何の反応もできずに俗にいう通り魔に運悪く遭遇してしまい体に包丁を突き立てられ何が起きたか分からないままその場に倒れ意識を失っていった。


【これが私が覚えている最後の記憶、わたしは結局何も残すこともできずに欲しかった家族も作ることが出来ないまま死んでしまった。願わくば次の人生では温かい家庭に生まれますように】


***


「はぁー!!」


「あれ?あれ?わたし包丁に刺されて死んだはずなのに!?」


 白雪は体を勢いよく起こしたさながら悪夢から目覚めた時のように、そして刺されたはずの腹部を触りそこに傷がないことに不可解さを感じながら正常な判断力が戻らないまま次に辺りを見渡した。


だが360度全体を見たがカーテンに覆われている為外の景色が見えなかった為白雪は体全体を起こしべットから出ようとしたがそこで自信に起きている以上に気が付く。


ガチャンッ!


何か鉄がこすれるような音が足元から聞こえた為白雪は音の発生源を探し視線を下に向けるとそこには。


「何これ?鎖?どこに繋がって?・・・・!?」


鎖がどこに繋がっているのかを確認するために鎖を手に取りその先を探していると片方はベットに固定されておりびくともしない、そして反対側の鎖の先に何故か自身の首が終着点になっていた。

 そう白雪はこの鎖でベットから出られないように拘束されているのだ。


幸いな点といえばベットの中であるなら自由に動けるが、そこから出ようとすると何故か急に鎖が動かなくなってしまい出ることが出来ないのだ。


「何これ?なんで私こんなところに拘束されてるの?それにこの部屋ベット以外何もないし、何かしたの私?・・・イタッ!」


何が何だか分からなままカーテンの外を見渡していると急に頭に痛みが走り手を頭に添え痛みの原因が髪の毛であると気が付くと白雪はそこで更なる違和感に気が付いた。


”髪が長い?確か私の髪は短かったはずなのに”


違和感の正体を確かめるために先ほどまでは気にすることもなかった自身の髪を掴み目の前まで持って来ると其処には以前の白雪が持っていた黒髪ではなく名を体で表すかのような、白く雪のような綺麗な髪が白雪の手に握られていた。


”なんで私の髪が白になってるの?たしか私の髪は黒だったはずなのに・・・まさか!”


残念ながらここに鏡は無いため顔を見る事は出来ないが顔より下の体を見る事は出来るとわかると白雪は意を決して体に視線を傾けた。するとそこには


”私の体じゃない!何?この体私こんなにきれいな体じゃなかったのに?しかもこの格好って”


白雪の視界には以前の者とは全く異なるほどのきれいな体が映っていた。


肉体年齢は死んだときと同じ16歳程度ではあるが標準よりは少し小柄であり胸部はちょうどいい手に収まる程度の大きさになっており腰回り締まっておりプロポーションは完璧であった。手足に関しては力強さは無く華奢な手足であった。肌に関してはこちらも白く美しいきれいな肌であった。

 残念ながら本人には分からないが今の白雪を全体を対外的にみると誰もが守りたくなるような保護欲を刺激しかしない見た目になっておりそれはある種の犯罪的なほどであった。


そして白雪はさらなる犯罪を犯していた、それが今着ている服にある。なんと白雪はいま裸Yシャツと純白の下着一枚の状態である。

 もしこんな状況を見たものはまず間違いなく「誘っているのでは?」と勘違いをしてしまうだろう。そしてそのまま欲望のままに押し倒されてしまうであろう。仮に白雪が泣きながら許しを乞うてもそれは相手の嗜虐心を逆なですることになってしまうだろう。


「何が起こったの?通り魔に襲われて死んだと思ったら気が付けばここに誰とも知らない体になっていて。もう何が何だか分からない!」


状況を呑み込むことが出来ず何をしていいのかもわからないまま白雪は先ほどまで眠っていたベットに倒れこみ考える事をやめたくて無理やり目を閉じこの夢が覚めることを願いながら眠りについた。


白雪は願いを込めながら目を開けると運命の残酷さをかみしめながらがっかりしたように「はぁ~」とため息を一つこぼし体を起こし体操座りになり何が出来るのかをゆっくり考え始めた。


”今私は今ベットから出る事は出来ないこの鎖は私の力ではびくともしないし何かしなきゃいけないのかと思ったけど何もできないし。もうどうすればいいの?”


ここから出たいが方法が無いため出ることが出来ない白雪は初めはめげずに何かないか何か方法は無いかといろいろ考えたが数時間後にはまたベットに体を預け諦めたように寝そべっていた。

 あらゆる可能性を試した鎖をねじ切ろうとしたが白雪の力では無理だった、鎖をベットの柱に巻き付け破壊しようとしたがどちらとも破壊は出来なかった。頭のおかしい程の強度であった。


そして寝ているとふとこんな感じの展開が書いてある小説を思い出しその内容を暇つぶしに思い出すことにした白雪であった。


「たしかあの小説では何かを言ったら自分のデータが見れるんだっけ?何ていったっけ?・・・たしか」


【オープン】

白雪

神器「オリジン」 

能力       【能力創造】  

         ・神眼

         ・武器変形

         ・神力

         【特殊技能】

         ・次元魔法

【始まりの神器にして大昔に大陸を二分した神器、しかしその力故に危険視され封印された禁忌の神器】


所有者無し


”何これ?神器?なのそれ?なんなの何で私が神器なの?訳が分からない!”


何が何だかわからすに混乱していると突然ベットの向こう側の床が盛り上がり何かを出し始めた、細い円形の盛り上がりはゆっくりと上昇していき人がその中央を見るにはちょうどいい高さまで盛り上がるとその動きを止めた。


 白雪は何があるのか好奇心に駆られ先ほどまで体を預けていたベットから身を起こすとベット上の限界まで移動しその中央を見ると其処には綺麗な外見の小さな指輪がぽつんと置かれていた。

 その指輪を見た瞬間白雪は直感で感じ取った”あれが私の本体だと”。確証はないが何故かそう思えてしまった。


”つまり私死んで指輪になったってこと?はぁ~意味が分からない”


昨日からの意味が分からない事が続き最早白雪の頭の中はパンクなど当に超えており何かの悟りすら開ける境地になっているほどであるが、逆に其処まで来ると物事を良い方に考える余裕が出てきた白雪でだった。


”これってもしかしたら私のとっていい事かも!所有者がいないという事は誰かが私の所有者になってくれるという事、つまり私はもう必要がない存在じゃあなくなる!しかもその所有者と仲良くなれれば家族とまでは行かなくても一人ではなくなるし!”


意味の分からい事をいくら考えても何も答えは出ない為白雪は分かる事を考え始めた、それが今の思考である、確かに白雪は家族を欲しがっていたが所有者はあくまで所有者家族にはなれないが長年ほとんど一人のような生活であったため何でもいいから誰かといたいと感じてしまってもおかしくわなかった。


最終目的は家族を作る事だが・・・


”この体たぶんだけど子供なんて作れないしね”


”これは予想だけど私がここから出られないのはその所有者がいないからで、もし所有者が現れば私はここから出られるはず!うん!大丈夫!なんか説明見る感じだと私かなり凄い感じの神器みたいだし!後はここに誰かが来てくれればその人の所有者になって貰ってここから脱出すれば問題解決になる!”


この何もなく何の目的もない白雪だったがここに来てようやく目的を見つけることが出来た事に感激を感じつつ早く誰が来ないかを待つことにした白雪。


***


「はぁ~誰も来ない、誰一人来ない」


 目的が決まってから既に5日が過ぎていたその間自分が何のかどういう能力があるのかを確かめながら過ごしているうちに5日も過ぎていたのだ、ここまで来るともしかしたらここに人は来ないのでは?と嫌な考えが浮かんでしまうが”そんなことは無い!”と自分を鼓舞し挫けずに待つのだった。


***


それからさらに5日が過ぎ暇すぎる時間をステータス画面を見ていると自身の事ならある程度知る事ができた、まずは能力から。


【神眼】

これはいくつかの恩恵が存在するらしい。使用すれば相手の強さを見ることが出来るらしく他にも無機物や有機物などの物の情報をその場で確認することが出来る。他にもいくつかの恩恵があるが今は使えない為詳しいことは分からなかった。


【武器変形】

こちらは読んで字のごとく白雪の本体である指輪を武器に変形することが出来る、そうしなければ武器として使えない為だろうか?何に変形するかは4種類あった。(大剣・二丁拳銃・刀・ガントレッド)この4種類である。


【神力】

如何やらこの世界にはこの力以外の別の力が存在するようだが白雪が使える力はこれのみである、しかもこの力は他の力を許容する事は出来ず一度この力を使えば二度とこの力以外を使うことが出来なくなる。

しかしこの力は他の力より扱いは格段に難しいが使いこなせれば並ぶことのない程の力を秘めている。


【次元魔法】

これは物置に例えれば簡単だ要はこの魔法の中にいろんなものを入れたり出したりすることが出来る何とも便利な魔法なのだが如何やらこの魔法はこれしかないらしい。


【能力創造】

これは白雪の所有者になるときに契約をするのだがその時に発動する能力で所有者の深層意識にある何かに反応し能力を一つだけ創造し使用を許される。


以上がこの10日間で白雪が理解できたことのすべてであった、如何やら白雪を使ったことがある者はおそらく3人であるようだ、この3人の事は記憶にはないがその3人が生み出した力はかなり強力なものであった。


だがこのことがわかるといよいよ白雪にはやる事が無くなってしまった、周りを見ても何も変わらない景色、そして大きすぎるふかふかのベットそれだけだ。

 それから白雪は一日を眠って過ごすことが多くなった。


今日この日も何もする事が無く朝なのか昼なのか夜なのか分からないまま白雪はベットに横たわり意識を飛ばしていった。


”ねぇ!君!ねぇ!起きて君!”


”誰かが自分を呼んでいる?あぁまたあの夢かどうせ起きたら誰もいないんでしょ?わかってるよ”


誰かが白雪の事を呼んでいる、しかしそれを夢だと判断し起きる気配を示さなかった。


すると


”君!いい加減に起きなさい!ちょっと!”


これはだんだん大きくなっていき流石の白雪も体を起こした。


そして目を開けると其処には待ちに待った”人”が白雪を起こしていた。


「誰?」


白雪の最初の一言はそれであった、残念ながら今の白雪は眠りから無理やり起きたため意識は未だ覚醒していない為目の前にいるのが自分が待ちに待っていたものだと即座に判断できなかった。


「面白そう!」


「続きが気になるかもしれない」


「期待できそう!」


なんて思った方が居たらぜひとも下の星を1以上お願いします!


ついでにブックマークもしてくれると執筆の励みになります!


感想も受け付けているので辛口でもいいです!ぜひお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ